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アレックス・モールトンのメンテナンス AM-GT Mk-2(完成編)【橋輪Blog】

アレックス・モールトンのメンテナンス AM-GT Mk-2(完成編)

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長らく欠品となっていましたSRAM RED の フロントディレーラーが入荷してきました。変速不良を起こしたまま使っていますとアウターに上げる時のチェーンがケージに押し当てられる時間が長くなりますのでケージが減ってしまうのです。

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これモールトンのあまり良くない部分ですね。 フロントディレーラーコントロールワイヤーのアウター受けの位置が良くない。 フロントディレーラーのアームから出たインナーケーブルがかなり斜めになっているでしょう。これではアームを引く力より フロントディレーラーを捩じる力のほうが勝ってしまいます。フロント変速の操作力の重さはここにあると思いますね。



せっかくなのでフレームを分割してみよっと!

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モールトン分割フレーム初めての試み。



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フレーム上に配置される色を変えたOリングが付く筒は、左からリヤブレーキ、 フロントディレーラー、リヤディレーラー操作用のケーブルを繋ぐカプラーで、末端で外さなくともここで分離できるギミック。


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ここどうやって繋がってんだろう?



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ナットを緩めて行くと、



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ナットが移動するだけ。



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なるほど〜、こうなっていたのね。フックを引っ掛けて引っ張る。良く出来てんな〜。


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上側は、右側のナットを緩めて?



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するとスリーブが出て来たぞ!



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こうゆうことか!凄いな。



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これで下側に見えるスポークのような存在が分かった。スリーブが抜け落ちないようになってんだ。



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分離されたフロントセクション。

ここで興味深いモールトンのフロントサスペンションを分解してみたいところですが、大変スムースな動きで全く問題ないことから次回に持ち越します。構造的なことはコイルバネによる衝撃吸収とボトムリンクのフリクションによるダンパー効果だと思われます。見た所30mm 弱のストロークしかありませんが、アスファルトの粒粒や1mm ほどのタイルの段差までも良く吸収してくれます。KIMORI のエアサス&オイルダンパーは、20cm ほどある歩道から飛び降りても全く衝撃無く着地できますが、アスファルトの表面までは読み取ることが出来ません。オフロードではなくオンロードと考えた場合、シリンダーまでも削り出しで製作される複雑な機構を持つKIMORI のフロントサスは、ばねと摩擦だけの単純構造なモールトンのリーディングリンクサスペンションに及ばないことは事実です。ああ、KIMORI にもこのフェザーベットな乗り心地が欲しい。

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先生お待たせしました。モールトン生まれ変わりましたよ!


アレックス・モールトンのメンテナンス AM-GT Mk-2 【橋輪Blog】

アレックス・モールトンのメンテナンス AM-GT Mk-2

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これがモールトンのリヤサスペンションです。ラバーコーンサスペンションといいイギリスの大衆車オースチンMini (現代のミニではなく昔のミニ)が採用しました。小さいながら広い居住性を求めたこの車は、重く長いコイルばねに対してコンパクトなゴムを使ったのです。これを開発したのがアレックスモールトン博士でした。

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リヤメカ変速不良の原因は、リヤスイングアームピポットのガタにあった。



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リヤエンド部で左右に30mm ほど動いてました。これだけ動けばチェーンもたまらず勝手に変速しますわな。



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ピポットのナットを目一杯締めこんでもガタは止まりません。



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ブラスブッシュとピンによるプレーンベアリングです。走行は少ないのにガタが出たまま乗っていたので急激にブラスブッシュが減ったのだと思われます。



ゲゲゲゲ・・・これは!

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何とピポットボルトが全ネジです。頭が皿ネジですからBB シェルから出ている右フランジのセンターは出ると思いますが、ピン内径とボルトのクリアランスがあり過ぎですね。これは構造上どうも出来ません。


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リヤアームなしでピンを取り付けてみます。



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ここはガチで締め付けます。するとフランジ、ピポットボルト、ナット、ピンがフレームと一体になります。ブッシュはリヤアームと一体になりますのでピンの回りを滑ることになります。


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ピンの長さ摩耗には問題ありませんが、ピン内径のクリアランス分360°位置が変わってしまいます。(今は重力で下に下がった状態で締め付けられている)これって専用ボルト作ったら売れるかも?


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ピポットリペアーキット8.000円(税別)



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新品ブッシュのスラストベアリングとして働く部分の厚みを測ったら2.51mm ありました。やはり大分減っていたようです。


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ピポットリペアーキットと共に調達したのがこのストレートリーマーでサイズ12.70mm。



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ブッシュを圧入すると内側に膨らみますので、12.00mm のピンが入るようにリーマーを通して整える必要があります。


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ブッシュの圧入にはプレス機械など必要ありません。万力で十分。



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丁度良いクリアランスでアッセンブリー出来ました。



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しかしモールトンのこの方法もう少し何とかならぬ物か?



ここはKIMORI が勝る!

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マジ凄いよ!↴
ロンスイ取付編 その2 KIMORI プロジェクト 20 【橋輪Blog】

明日につづく、


Shimano 輪界に、もの申す! 【橋輪Blog】

Shimano 輪界に、もの申す!

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”オッサン”の KIMORI COLOSSUS HR ULTEGRA Di2 が完成したところで試運転してみた。相変わらずキモリの走行性能は素晴らしいが、何やらペダルにゴリゴリする振動を感じる。

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コンポーネントは、Shimano ULTEGRA Di2 フルコンポ。



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リヤ変速はギリでバッチリ合わせたつもりだったが、若干チェーンがローギヤ側にまだ競ってるようだ。



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今トップギヤ(11速)でHi アジャストスクリューは解放状態。



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調整モードに切り替えたインフォメーションディスプレーの表示は、プラス16。本当は、F R のR が点滅状態。



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調整モードでは、中心からトップ側へ+16段階、ロー側へ-16段階アジャスト出来る。(9070 DURA-ACE Di2 では、それぞれ12段階) +16ってことは目一杯トップ側に動かしている状態。これでも足りてないってことだ。


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試に16から0に近づけて行くと3で、



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10速に変速してしまった。



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続けて-16まで行ってみると9速にシフト。



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折り返して0まで戻ると、



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チェーンは10速ギヤに乗ったまま捩じれた姿で止まっています。理想は、0で11速ギヤの真ん中に居なければならない。


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リヤディレーラーとディレーラーハンガーの間にワッシャーを噛ませて外に出す裏ワザを試みる。



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ただ、出し過ぎるとBテンションボルトがエンドの爪からズッコケる心配あり。



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良さげなワッシャーを見つけた。



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内径10.36mm。



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厚みは、0.96mm。



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リヤディレーラー取付ボルトは10mm だからピッタリ。



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Bテンションボルトは大丈夫そうだ。



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Bテンションボルトがディレーラーハンガーの間に挟まらぬよう気を付けて取り付ける。



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これが、Bテンションボルトがディレーラーハンガーからズッコケた状態。


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これで約1mm 外に出た。



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調整モードを0に戻す。



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これでもまだロー側に寄っている。



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最終アジャストでは、+10。これで何とか事なきを得た


ちょっと待った!


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先生のモールトンが気になった。



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DURA-ACE Di2 へのコンポ載せ替えを依頼されている。



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勿論、リヤディレーラーは、RD-9070。



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しかもリヤエンドは、物凄く薄い。



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右側に突き出たクイックシャフトがエンドの薄さを物語っている。ああ〜ヤバイ!



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こちらもHi アジャストは解放。



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製品出荷時は、トップの位置。



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トップからずれていると言うより10速ギヤの方が近い。



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1mm 以上のワッシャーを入れたら確実にBテンションボルトは、ズッコケるだろう。

シマノお客様相談窓口で聞いたら「リヤディレーラーハンガーが曲がっていませんか?」なんて聞かれちゃった。KIMORI の新車だよ! 実はこのパターン、スペシャライズドのフレームでもあった。リヤディレーラーハンガーなんてフレームメーカーが作ってんだからまちまちだと思うよ。トップギヤからリヤディレーラー取り付け面の距離が全てのメーカーで同じとは限らないし。(機械式なら調整可能 ) 一応シマノには、リヤディレーラーも フロントディレーラー同様にトップ側電気アジャストの機能を持たせるべきだと言っておきましたが、1週間後にアップグレード出来るって話でもないし・・・・・ 今のところ対策は浮かばない。

Shimano の最高峰コンポが取付不可なんて言ったらモールトンオーナーズクラブが黙ってないかもよ!

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