Moulton TSR-9 FX

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その15【橋輪Blog】

やはり来たか?骨ほね自転車が骨ほね自転車を呼ぶ!

リヤサスピポットで作業がストップしたTSR。最早、工作機械の旋盤を購入するしかないかと「モノタロウ」とか調べたらどんなスペックなのか見当も付かない。卓上ミニ旋盤なら10万円ほどで買えそうなのだが、こういう物は通販では絶対買いたくない。そして100万円出してもテクニックは付属してこない。田端の古道具街でも歩いてみるか。などと思っていたら一通のメール。アレックスモールトンとキモリに興味があるという。来た来た、ぼくの予想通り骨ほね自転車は骨ほね自転車を呼ぶのだ。最近【橋輪Blog】にモールトンの記事を書き始めたのにヒットしたようで、キモリは、知らなかったみたい。彼の要望は、モールトンだったらお城製で、キモリだったらCOLOSSUS HR。しかもHRにALFINE 11 Di2 が取付可能かとの問い。すっきりしたルックスで乗りたいのだとか。

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KIMORI COLOSSU HR のリヤエンド幅は、130mm でドロップエンド。ALEINE は、135mmでトラックエンドだ。



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KIMORI COLOSSUS Single Speed



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キモリにもトラックエンドがある。このエンドをHR のPSTA リヤアームに135mm 幅で移植すれば可能かも。



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またこんなタイミングで超超コアなOX PECO が、モディファイのためお預かり中なのだ。



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ALFINE 11。



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アルフィーネは、32ホールと36ホールがあるから36H を選択し一穴飛ばしで24H リムに組みました。これならカーボンリムも選択可能。


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こちらはALFINE 11 Di2 ユニット。



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あまり目方は測りたくなかったが、



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スーパーヘビー級の2.25kg。




detail
シフターの問題だがアルフィーネブランドでは、油圧ディスクDi2 のST-R785 しか今のところない。だがご心配なく、DURA-ACE Di2 / ULTEGRA Di2 のSTI レバーでも ALFINE Di2 が動かせます。左はブレーキレバーの仕事しか与えられないのでダミーとなりますが。

detail[1]
すっきりさせたいのならSW-R610 スプリンタースイッチでは。残念これはSTI に繋がないと仕事しません。


detail[1]
良いのが出たんですよ。SW-R9150 サテライトシフトユニット。こちらジャンクションA に直接繋げば作動します。



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すっきりさせたいのならば、ゴツいSTI はやめて、この小柄なブレーキレバーで親指シフトが良いんでは?


何か KIMORI の話になっちゃった


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KIMORI COLOSSUS HR


”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その14【橋輪Blog】

TSR のリヤサスペンションを検証する 5

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「TSR のリヤサスペンションを検証する」も(5)に至った。大きな問題を抱えながらも他の部位に現実逃避してきたが、もう逃げられない。厄介なのは、新品のピポットリビルトキットを取り寄せたとしても直る可能性は無いからだ。

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びくともしなかったスピンドルを抜く。



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ボルトナットは、何でもプーラーに早変わりで便利。



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カラー替わりのボックスのコマ。



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これでナットを締めて行けば、



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はい抜けて来ました。結構硬かったな。



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左右のブッシュが平行でないような?



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左側のブッシュが傾いでるね。



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プレスして奥まで入れて上げました。



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スピンドルは、まだ入りません。



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これは、12.70mm のストレートリーマーを通せば解決すると思われる。


その前に寸法を当たってみよう

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ブッシュの外々が54.15mm。



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スピンドルが54.97mm だからブッシュから片側0.41mm ずつ出ることになる。これは明らかに出過ぎだ。



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続いてフランジ内々を測ると54.84mm。



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これでは、54.97mm のスピンドルは、容易には入らない。



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次にフランジにピポットボルトを入れてブッシュ側面に接触できるか見てみよう。(先ほどの数値と違うのは塗装の具合)



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ここからボルトを締めて行くと54.21mm まで縮んできた。



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更に締めこんで行くと54.11mm。これなら54.14mm のブッシュを十分に押し付けられる。



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平行度は出せないが元の状態よりは遥かに良いはず。



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このスピンドル今のところやりようがある。これがブッシュ外々と同じ寸法だったら動きが相当渋くなり、少しでも短かったらTSR のリヤサスはリジットとなる。さてと、どうやって何ミリ削るかだ?

次回につづく、


”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その13【橋輪Blog】

TSR のリヤサスペンションを検証する 4

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モールトンバイシクルには、様々なシートピラーサイズが混在する。パイロン系のΦ27.2に、AM系の完全に孤立したΦ34.9 / Φ35.0。クロモリでは、SST のΦ31.6 とTSR系Φ31.8。この中で完全独立系のΦ34.9 / 35.0 は、フレームキットにシートピラーが付属し、完成車のTSR系には、Φ31.8 が付属する。混乱しそうなので纏めてみた。以下に現行モデルのシートピラー径を示す。

【Φ27.2】付属なし
DOUBLE PYLON / SUNGLE PYLON / AM-SPEED

【Φ34.9】フレームキットに付属
NEW SERIES / AM-GT Mk.3 / AM-20 Mk.2 / SUPER SPEED

【Φ35.0】フレームキットに付属
AM-SPORTIF

【Φ31.6】付属なし
SST-20

【Φ31.8】完成車に付属
TSR-9 SP / TSR-9 FX


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これが完成車TSR-9 FX に付属する特殊サイズΦ31.8 のシートピラー。



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シートチューブ内には、アルミのシートパイプシムが挿入されている。



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これは、SST-20 用のシートパイプシム。TSR とSSTは、同じクロモリでシートチューブ内径が同じなので少し厚みがある。


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これでΦ31.6 に変換できる。



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TSR のシートパイプシムを抜いて、



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SST 用を挿入。



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これでアフターマーケットのシートピラーが装着可能となります。

ぼくは今回このモデルのプチモディフアイにおいて、軽量化は求めないので交換しないが、重たいヤグラの付いた太くて長いシートピラーの交換は、このモデルのダイエットに大きく貢献するだろう。

そろそろ本題に進もうか


”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その12【橋輪Blog】

TSR のリヤサスペンションを検証する 3

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”その10” で「TSR のエンド幅は、135mm であった」と書いたが、ダイナベクター富成次郎氏よりご指摘を受けたので、訂正したいと思います。もしかして毎回 ”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” シリーズをチェックされているとなると、あまり悪いことは書けないかな? いや、最初にばくは、良い事も悪い事も全部書きますと宣言したので、このまま隠さず行こうと思います。次郎氏によると TSR は、135mm のリヤハブをアッセンブリーしているが、フレーム側はエンド幅133mm で、130 / 135mm 両方のハブに対応させているそうです。それでリヤホイール外すのがちょっとキツかったんだ。

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RIDEA の130mm ハブを載せてみよう。



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改めてリヤエンド側の寸法を測ってみたら本当に133.34mm であった。



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フリー側をエンドにくっ付けて、



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反対側を見ると、こりゃちょっとね。やっぱりTSR は、リヤエンド135mm の方が絶対マッチングします。

昔イギリスのクラシックバイク、1978 トライアンフ T140 エンジンのレストアした際、次郎さんに散々教わったんですよ。あの時先生がいなかったら組み上がらなかったと思う。完璧なエンジンに仕上がったものの、シャーシに進む段階で断念。当時、トラックマスターフレーム(下写真)が手に入らなかった。もし手に入ったとしても昨今のようにどんなバイクでも車検が取れちゃう時代ではなく、純粋なレーサーフレームでナンバーを取得するのは不可能だったと思う。快音を唸らせることは出来なかったが、あのエンジンのオーバーホールは実に楽しかった。

16-08-02-McAllisterTrackmasterTriumph[1]

次回は、TSR の特殊なシートポストサイズについて

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その11【橋輪Blog】

TSR のリヤサスペンションを検証する 2

TSR のリヤサスペンションはハイドラスティックではなく、ソリッドのラバーコーンだ。今夜はこの辺からバラしに掛かりますか。

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どうやら左右から留まる4本のビスしか見当たらない。



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ええええ、タッピングビスなの!



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全部抜くとカタンと落ちそうなので六角レンチを差しておこう。



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さてどうだ?



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カタンとは落ちなかった。おう、こうなってんのね。で、更に下げてみるとゴツンと止まった。



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シートチューブ側は、ラッパのような形。



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ゴツンときたのはこれだった。



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グリースニップルを先に外しておかないと後悔しますよ。



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リヤアームの動きは非常に渋い。



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ピポットボルトを外します。こちら前回やったAM-GT の皿ネジではなく、キャップボルトだ。



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緩み止めにはノルトロックワッシャーを使っているようだ。



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ノルトロックワッシャーが良く食ってる痕が見える。



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ピポットボルトを外してもリヤアームが落ちてこない。



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しかも抉ってみると、こんなにガタがあるのに外れない。プラスチックハンマーで衝撃を与えて外す。



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これが左側の砲金ブッシュ。



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中を貫通するスピンドルは、面一。しかも手では回らないしスラスト方向にも全く動かない。



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逆に右側は相当飛び出した状態。



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これがゴツンと止まった痕。グリスニップルで傷を付けてしまったようだ。



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リヤアームへのラバーコーンの取り付け。



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このタッピングの穴は、シートチューブ側のラッパに嵌め込んでおいてラッパ側からドリルで開けていると思われる。だから左右同じではないと見てマーキングしておいた。


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リヤアーム側の取り付けは至ってシンプル。



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リヤアームのフランジ部を観察するとスピンドルが食い込んだ跡が見て取れるもののブッシュが触った形跡がない。と言う事はスピンドルがフランジ内々の幅より長い可能性がある。



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こちら右側の雌ネジを持ったフランジ。青いのはロックタイト。



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ピポットボルトには問題なさそうだが、



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AM-GT の皿全ネジボルトよりは遥かに良いキャップボルトでガタも少ない。



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こいつはまた12.70mm のストレートリーマの登場だが、スピンドルが長ければ旋盤加工が必要になってくる。工作技術の無いぼくには、大きな課題が残った。

次回につづく、



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