Moulton TSR-9 FX

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その20【橋輪Blog】

大量に届いたシムリングを見てほくそ笑む

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誤発注で100枚も届いたシムリング。まさかの10枚パックで850円だったとは。でも850円のシムリングが100枚届かなくて本当に良かった。やはりモールトン取扱店としては、厚さの異なるシムリングを100枚ぐらいは常に在庫してないとね!当然 (笑)

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プロショップ宜しくジプロックに小分けにし、タグにサイズと厚みを記載した。



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内径13mm 外径19mm 厚さ0.3mm のシムリングはこんな感じ。



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内径は13mm でピッタリ。でも外径が合ってませんね? いやいやここが今夜の”みそ”ですから。



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ブッシュの外径は、25.29mm。



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でもご覧のように全面当たってるわけではありませんので。



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フランジ内側にシムリングを置いてみるとこんな感じです。ブッシュの当たり面をマーキングした付近は、外から見えてしまうので、リューターで削っていないので好都合です。


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左がパシュレーでライセンス生産されるTSR のクロモリフレームに装着されてくるブッシュです。右は”お城製”のステンレスフレーム用のブッシュで、どちらもスピンドル径は13mm。ですが”お城製”は外径が19mm しかありません。パシュレーのツバが広いブッシュの方が接触面積が広く、捻じれ剛性には断然有利ですね。ここはパシュレーに軍配が上がります。でも外径19mm のシムリングを入れてしまうと条件は同じになってしまいますね。

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敢えて外径19mm のシムリングを使うことで ”お城製”と肩を並べて勝負するのだ!

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その19【橋輪Blog】

出ている物を削るのではなく、足りない物を足す

大きな間違いに気付いて良かった。これでブッシュの幅に合わせてスピンドルを削っていたら使い物にならなかった。スピンドルの長さが合っているのだからブッシュの厚みを増やせば良い。出ている物を削るのではなく、足りない物を足すのだ!

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ピッタリ合ったスピンドルを入れて仮組したリヤアーム。ピポットボルトは締めていない。



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スラスト方向にはかなりのガタがある。



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左右に振ってみるとブッシュとフランジの隙間が変わるのが分かる。



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スラスト方向にガタがある状態でリヤアーム先端がどれくらい動くか測ってみる。



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一番左に寄せた状態で20mm の位置にセット。



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ここから右に振ってやると、約4.5mm 動いた。この数値は、この先見て行くことになろうダブルパイロンや一部AM シリーズでは倍以上数値となって現れるだろうと推測する。


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これはシックネスゲージと言う隙間を測定する工具で、自動車関係ではエンジンのバルブクリアランスの測定などに用いられる工具。


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0.05 / 0.10 / 0.15 / 0.20 / 0.30 〜1.00mm と続き5/100mm 単位と、ノギスと同じ精度で隙間が測れる。もっと細かいのもあるが、ここではこれで十分。


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フレームを押さえてリヤアームをこっちに。スラストのクリアランスを全部こっち側に取る。



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0.10mm のゲージを差してみよう。



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0.10mm はここまで入る。フランジに隠れて見えないが、



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スピンドルに当たるここまで入っているってこと。



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0.80mm は入らず。



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0.70mm はサクッと入る。



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0.60 と 0.15 を重ねて0.75mm を作る。



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ぐにゃって感じではいった。良くバターをナイフで切る感じなどと言う。測定した0.70〜0.75mm のシムを左右に振り分けて入れれば良いことになる。


シムを探してみた


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岩田製作所ベアリング対応シムリング 定価850円

シムを調べてみると内径表示が12mm の次が14mm で一枚80円ほど。スピンドルの太さに合う内径13mm のシムを探すとこれが出てきた。ベアリングのインナーとアウターレースの側面に使う高精度のシムリングだ。0.3mm 厚までが定価850円で、0.5mm が1.050円、1.0mm が1.250円と大変高価である。高精度で内径がピッタリの13mm であれば致し方ない。厚みの違いを混ぜて全部で10枚注文してみた。

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来た。



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あれ〜何これ? それも全部で100枚。



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10枚パックだった!

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その18【橋輪Blog】

そもそもの考え方が間違っていた

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考え方が間違っていたことに今気付いた。旋盤があれば何でも出来る。旋盤さえあればなどとの無い物ねだりが間違えだった。頭が旋盤にしか向かなかった。付くづくアホだと思った。

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この時点でブッシュ両端の距離がフランジに届いていないことに気付いていたはず。



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なのにスピンドルの長さなんか測りだす。




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フランジ間の寸法を基準にしなければならない事に何故気付かなかったのだろう。



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容易には入らなかったスピンドルを何とか入れようと思わなかったのか?



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先ずは、M8 のタップでロックタイトの付いた雌ねじを綺麗にしてやる。



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ボルトもしかり。



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これでボルトがスルスルと入って行けば(ボルトを信用して)フランジの平行度は出ていると推測。ここからボルトをレンチで締めこんでフランジ間を狭めるなんてことはやってはいけない。


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ブッシュが当たる部分の円をマーキング。



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分厚い塗装が乗っていた部分をリューターで削る。



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剥離とまで行かないが、ほぼ平らに。


すると!

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スピンドルの全長を落とさなくとも入ってしまったのである。



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完璧!パシュレー精度出てんじゃんかよー!



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リヤアームを仮組します。



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ピポットボルトは締めません。当然スラスト方向にはガタが出ています。



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キャバクラのねーちゃんの名刺が入ってしまうほどに。



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それにしても可愛いな〜! また行くか。



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ここでこいつの出番。まさか自転車でこいつを使うとは?

次回につづく、





”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その17【橋輪Blog】

ストレートリーマーを考える

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今回使った12.7mm のストレートハンドリーマーは、1本6.000円もする。だが完全に貫通させて使うには少し太すぎるような気がする。0.1mm 飛びでラインナップするが、では12.64mm のスピンドルに適するようにブッシュを削るには何ミリのものを買ったら良いのか。このF.P.TOOLS という製品では、12.5 / 12.6 / 12.7・・・・と並ぶ。0.1mm 単位でテストするなら1回ごとに6.000円も掛ることとなる。工具箱の底から何やら古い道具が出てきた。アジャストリーマーだ。

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6サイズのアジャスタブルストレートリーマー。油汚れでドロドロだったが、チェーンクリーナーに一晩漬けておいたらその構造が見えてきた。


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5本出てきた内の12mm サイズは残念ながら一番使い込まれており再使用は不可だった。



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先端のレンチを掛ける部分はもはや四角ではない。



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アジャストナットもスパナが舐めて掛らない。



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せっかくなのでその一つ下のサイズを見てみよう。



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11mm to 12mm とある。これ1本で1mm の範囲で調整可能だ。先ほどのストレートリーマーであれば10当分に分けても66.000円掛る工具がこれ1本で済むことになる。しかも1/10mm 飛びではなく無限大に調整可能だ。しかも現在の価格で8.000円と割安。


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分解してみる。左右から刃を挟み込むようにナットが二つ。



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刃は。溝に嵌るように付いている。



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全部で6枚の刃。以外にも錆びていなかった。



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この斜めの刃がミソで、



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右に行くほど刃が飛び出す仕組み。



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これでは分かり難いので模型を作ってみる。



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これが12〜13mm 用アジャストリーマーとする。シャフトには、黄色の刃が嵌るようなピンクの溝が切ってある。



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この斜めの刃が溝に嵌ると外周は平行になる。これで外周は、12.0mm。



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右側のナットを緩め左側のナットを締めて行くと刃は坂を上りつつ平行移動しながら外に出ていく。ここまで来ると大よそ12.5...mm。
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これが13.0mm 地点ってわけ。

しかし昔の人は良く考えたもんだよね。脱帽するわ。これ1本買ってみる価値はあるな。ところで12mm to 13mmだが、あんなに朽ちるまで橋本輪業、何に使ってたんだろう? てか紙切って模型なんか作ってる場合じゃねーよ!「少し前に進もう」って全然脱線しちゃってて進んでいませんね。すいません。

汚い工具が出てきたでは、済まされない性能な工具なもんで、

”お城で作っていないモールトンはダメなのか?” その16【橋輪Blog】

旋盤のことは置いといてと

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旋盤のことは置いといて少し前に進もう。スピンドルが長いのは分かっている。固くて抜けなかったスピンドルはブッシュを圧入した際、ブッシュの内径が太ったのか、そこに無理矢理押し込んであったのか?スピンドルを良ーく見てみると・・・・ 原因はスピンドルにあった!

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片側に打痕があった! 傷があった方に抜き出せば素直に抜けたのかもしれない。



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左側のブッシュに傷のない方からスピンドルを差し込んでみたら、あら優秀じゃないですかスルッと入りましたね。



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右側は10mm ほど入ったところでストップです。傷がついたスピンドルを引き抜いたためにバリが出来てしまったのか?



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スピンドルが12.64mm なので指定された12.7mm のストレートリーマーで修正するが、12.7mm では大きすぎる気がする。特にハンドリーマーは、使い方が難しく、ぼくのようなへったっぴが使うとすぐに13mm ぐらいになってしまう可能性も大。



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リーマーを通すのでは無く、バリをさらう感覚で作業してみた。



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ちょっとさらっただけで素直に入ってくれた。



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ストレートリーマーと言っても全部ストレートではない。中央に走る刃先を見てもらえば分かるように先端は先細りになっている。まあこうなっていないと入らないが。使ったのは切粉が付着している先端の部分だけ。このリーマー1本6.000円ほどするが、0.1mm づつ小刻みに欲しくなる。

明日も、リーマーのお話をもうちょっと

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