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ホイールハブのチューニング 2  【橋輪Blog】

ホイールハブのチューニング 2

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クイックを力強く締めると回転が重くなる原因は、シャフトの段付き長さが0.25mm 足りないことにあった。これは長すぎるより短い方がラッキーである。もし長すぎていたら足し算は出来ても引き算が出来ない橋輪には、旋盤のお助けが必要となる。足し算による微調整には、極薄のシムがいる。リヤ用10mm シャフト(内径Φ10シムリング)は、モノタロウで購入可能だが、フロント用9mm シャフトの内径Φ9シムリングは無い。規格で10mm の下は8mm なのだ。そこでかなりマニアックなMiSUMi-VONA で検索すると、1mm 単位でオーダーが掛けられる。だが汎用規格の10mm は1枚90円で購入可能だが9mm は、1枚480円と大変高価だった。

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フロントシャフトなので9mmである。



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ダブルパイロンのピポット修理に使う12-16mm の2枚を含む9mm、10mm、を42枚購入したが、これで約1万円也。



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今回は内径9mm の厚さ0.1mm と0.05mm を組み合わせて使う。



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0.05mm のシム。強く握れば壊れてしまう程に薄い。これ1枚で480円とは!



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片側に0.1mm を1枚、反対側に0.1と0.05の0.15mm の2枚を入れる。段付きの長さが0.25mm 伸びる計算。



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だが正確に0.25mm となるとは限らない。この部分の削り方にもよる。



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いらな紙の裏に書いているので文字が写り貧乏くさい絵だが、加工工程の差でシムリングの座りが変わってくるからだ。このへんは組んでみなけりゃ分からない。


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せっかくなので、ベアリングもNTNに交換。No.609JX2LLU/1X。



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シムリングを失くさぬようマスキングテープで留めておこう。



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再度ヒートガンでハブボディーを温めます。



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圧入するでも叩き込むにせよインナーレースのみに力が掛るのは避け、アウターレースで挿入しよう。さもないとボールの打痕がレースに付く。



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17のディープソケットがピッタリだった。



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挿入完了!



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まてよ!ちょっと重いな。接触型のラバーシールの抵抗かな?



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両手でシャフトを掴んで回すとバルブの重さで逆回転が始まるときに指が持ってかれる感じがする。



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触れ台に乗せて回すとやはり回転が重い。シムリングが多すぎたのか?普通ならここで0.05mm を1枚抜いて0.2mm とするところだが、ここが究極のセッティング。


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左の足りなくてボールに下向きのストレスが掛っていたのに対して、今度は右のように多すぎて上向きのストレスが掛ってきた。これ狙い通り!


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クイックを締めると互いが打ち消しあい最高の回転を得た。



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クイックを締めないと重く、締めた時ストレスのない最高の回転が得られる。



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最後にクイックを締めた状態で両側カラーのイモネジを締めて終了。このイモネジ、以前にJKホイールの説明で「非常に良いシステム」と書いたが、後にイモネジ一か所では、その効果が得られないばかりか、クイックの締め付けが均等に掛らないことが分かった。最低120°離れた3ヶ所ないと意味がない。なのでこのイモネジは、回り止め程度に締めておけば良い。 色々とやった結果、最高の回転が得られましたが普通はここまでやりませんよ。

T さんに見せたかっただけです

ホイールハブのチューニング 【橋輪Blog】

ホイールハブのチューニング

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ハブにDURA-ACE?並みの回転を与えるべく、チューニングを施す。今回は、Kitt Custom Carbon Tri-Spoke  Wheel を例に取り説明したいと思います。

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先ずは両側のカラーにあるイモネジを緩めます。



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くだんの方法(接着剤のへら)でカラーを抜きます。



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圧入されているのではなくOリングが仕込まれているので抜きずらいだけです。Oリングの抵抗ですがクイックを締めた時点でカラーとシャフトは一体になるので気にしなくてOKです。


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イモネジが噛んでた痕はヤスリでさらっておきましょう。



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シャフトには、軸方向に若干の遊びを指の腹で感じることが出来ます。これがゼロがベストとは限りません。またゼロでも抵抗になっていることもあります。ではこの遊びがどれくらいあるか測ってみましょう。ダイヤルゲージが無くても測定できますよ。


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遊びの分をシャフト、カラー共に片側に押し付けた状態でイモネジを締めます。



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反対からシャフトを押せば、



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遊びの分だけカラーは外へ。カラーのツバとハブの隙間というより、その内側の僅かな隙間です。



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ここにシックネスゲージ(この測定器具は、高価なダイヤルゲージと違い数百円で購入できる)を差しこみます。



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ツバの内側には段付きがありますので、


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ここではなく、



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こちらで測定。



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ここです。



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幾つかのゲージを組み合わせて隙間がどれだけあるか測定します。



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0.20mm と0.05mm の組み合わせの0.25mm がしっくりきました。指の腹に感じた遊びは、0.25mm だったことが分かります。



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0.30mm も入りますが無理やりです。



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たった0.25mm ですがクイックレバーを締めたときに影響が出ます。ぼくはクイックレバーをきつく締め付けない派なので殆ど影響が出ませんが、きつく締める人は回転に差が生じるでしょう。


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分解には、ヒートガンが便利。カーボンホイールなので触れないほど加熱してはいけません。「熱いな」ぐらいでも薄いアルミハブは、膨張します。


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ハブが温まったらシャフトの頭をこずいてやりますが、適当なボルトを差しておいた方が良いですね。



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ガンガンやらなくともこんこん位で簡単に抜けてきますよ。



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これが部品構成。



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要は、このベアリングに掛る太くなっている部分の長さです。



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この太くなった段差でベアリングが止まるわけです。



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世には、この細いクイックシャフトで回ってると思っている人結構いるんですよ。



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クイックを締めると何処と何処が一体化するのかを見極めなくてはいけません。右からクイックナット(これはシャフトを押しているのではありません)この場合フロントなので赤で書いたフォークエンド、エンドはカラーを押してカラーは、ベアリングのインナーレースだけを押してインナーレースは、シャフトの段差を押す。そして今書いた全てが一体化する。そしてその相手は一体化したハブボディーとベアリングのアウターレース。その二つの一体化しともの同士の間にボールが回っているわけです。


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このカラーの段差が、ベアリング全体ではなくインナーレースのみを押している絡繰りであります。



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これが正常な段付きの距離だとしよう。



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この段付きの距離が正常より短かったらどうなるか?


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汚い絵はハブを立てに見た状態。

右が正常で左が短いパターン。クイックはカラーを押し下げベアリングインナーレースを下げようとする。ベアリングアウターレースは、ハブの段付きに阻まれ動けない。すると互いに高さの違うレースは、ボールにストレスを掛けるのです。

あすは、具体的なチューニング法を



フィキシングボルトで締め切るタイプの2ピースクランクについて(最終回)【橋輪Blog】

フィキシングボルトで締め切るタイプの2ピースクランクについて(最終回)

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3mm ライン寸止めまで削り込んだBB シェル。一発で決まるとは思っていないが削り過ぎたら元へは戻れない。

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よし、クランク組んでみよ。



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赤と黒のシムは、2枚で5mm。



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ここまでは、スルスルと回っています。更に左クランクを規定トルクまで締め上げると、



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重い。



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スタンドとのクリアランスはまだありますね。



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やはり3mm ラインまで行きそうです。



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再度クランク、BB 外します。ここからは寸法では測れませんからね。



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赤のシムは、けばけばしいので、止めておきます。



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またこいつの出番。



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そこまで行っちゃいますよ〜!



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あああ、こんなに削って良いものか?



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切粉もタップり出てますよ。



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何だか凄く短いBB シェルになっちまったな。



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寸法は、どうだ? アッセンブリーしたクランクを当てがってみると・・・・あら!入ちゃったぞ!ヤッベ削り過ぎたか?


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フレームナンバーまでギリだ。63mm ハンガーシェル。新規格?



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右に2.5mm シム2枚。サーどうだ?



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回る回るビンビン回る。



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最後の一締め。これで少し回転が落ちなければBB に密着していないってこと。



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さっきと比べて、ほんの僅かベアリングに負荷が掛かったのが解る。2ピースクランクの確実な勘合とベアリングへのプリロードが的確に保持された瞬間。2回で決まるとは何とも偶然!


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スタンドとのクリアランスも、



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ギリ、セーフ!



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これで走りは、以前よりも格段に良くなったはず。



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さて問題のDi2  フロントディレーラーはどうだ?



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 フロントディレーラーの高さを合わせる。相変わらずHi Lo アジャストスクリューは未装着。



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オートトリムが働いてもチェーンを外に押し出さなくなった。ケージをもう少し内側に入れたいが、これが限界。チェーンラインは、ほぼトップ側に移っているので外外れは無いだろう。


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何とかなりましたよ船長!



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フロントディレーラートップ側電気位置調整はプラマイ0。



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ただ、アウター / ローでの逆回転は禁止です!


船長通信

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・10/24日、昨日金沢港を出港し、関門海峡を抜け瀬戸内海向けですが、山口県の三島沖日本海側です。..朝06:30頃の島根県益田市側から中国山脈を越えて昇る朝日ですが、雲がオレンジ色に綺麗な朝焼けで日本海側は曇ってますが、雨を降らせる雲では無く、今日も良く晴れそうですね。..航海中の風は東北東の風約10m/sで、波は船尾から約2m程ですね、..では、また良い画像が有ればmsilします。


【2017 DAHON 入荷情報】
Route / BoardWalk 全色入荷しました。


Shimano 輪界に、もの申す! 【橋輪Blog】

Shimano 輪界に、もの申す!

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”オッサン”の KIMORI COLOSSUS HR ULTEGRA Di2 が完成したところで試運転してみた。相変わらずキモリの走行性能は素晴らしいが、何やらペダルにゴリゴリする振動を感じる。

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コンポーネントは、Shimano ULTEGRA Di2 フルコンポ。



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リヤ変速はギリでバッチリ合わせたつもりだったが、若干チェーンがローギヤ側にまだ競ってるようだ。



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今トップギヤ(11速)でHi アジャストスクリューは解放状態。



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調整モードに切り替えたインフォメーションディスプレーの表示は、プラス16。本当は、F R のR が点滅状態。



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調整モードでは、中心からトップ側へ+16段階、ロー側へ-16段階アジャスト出来る。(9070 DURA-ACE Di2 では、それぞれ12段階) +16ってことは目一杯トップ側に動かしている状態。これでも足りてないってことだ。


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試に16から0に近づけて行くと3で、



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10速に変速してしまった。



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続けて-16まで行ってみると9速にシフト。



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折り返して0まで戻ると、



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チェーンは10速ギヤに乗ったまま捩じれた姿で止まっています。理想は、0で11速ギヤの真ん中に居なければならない。


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リヤディレーラーとディレーラーハンガーの間にワッシャーを噛ませて外に出す裏ワザを試みる。



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ただ、出し過ぎるとBテンションボルトがエンドの爪からズッコケる心配あり。



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良さげなワッシャーを見つけた。



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内径10.36mm。



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厚みは、0.96mm。



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リヤディレーラー取付ボルトは10mm だからピッタリ。



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Bテンションボルトは大丈夫そうだ。



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Bテンションボルトがディレーラーハンガーの間に挟まらぬよう気を付けて取り付ける。



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これが、Bテンションボルトがディレーラーハンガーからズッコケた状態。


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これで約1mm 外に出た。



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調整モードを0に戻す。



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これでもまだロー側に寄っている。



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最終アジャストでは、+10。これで何とか事なきを得た


ちょっと待った!


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先生のモールトンが気になった。



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DURA-ACE Di2 へのコンポ載せ替えを依頼されている。



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勿論、リヤディレーラーは、RD-9070。



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しかもリヤエンドは、物凄く薄い。



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右側に突き出たクイックシャフトがエンドの薄さを物語っている。ああ〜ヤバイ!



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こちらもHi アジャストは解放。



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製品出荷時は、トップの位置。



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トップからずれていると言うより10速ギヤの方が近い。



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1mm 以上のワッシャーを入れたら確実にBテンションボルトは、ズッコケるだろう。

シマノお客様相談窓口で聞いたら「リヤディレーラーハンガーが曲がっていませんか?」なんて聞かれちゃった。KIMORI の新車だよ! 実はこのパターン、スペシャライズドのフレームでもあった。リヤディレーラーハンガーなんてフレームメーカーが作ってんだからまちまちだと思うよ。トップギヤからリヤディレーラー取り付け面の距離が全てのメーカーで同じとは限らないし。(機械式なら調整可能 ) 一応シマノには、リヤディレーラーも フロントディレーラー同様にトップ側電気アジャストの機能を持たせるべきだと言っておきましたが、1週間後にアップグレード出来るって話でもないし・・・・・ 今のところ対策は浮かばない。

Shimano の最高峰コンポが取付不可なんて言ったらモールトンオーナーズクラブが黙ってないかもよ!

フィキシングボルトで締め切るタイプの2ピースクランクについて(その3)【橋輪Blog】

フィキシングボルトで締め切るタイプの2ピースクランクについて(その3)

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元々右側に入れていたシムが約2.5mm。出来れば4mm 近く外に出したいのだからシムを追加することとなる。



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微調整の効くシムは無いかと道具箱をひっくり返したらこれだけのシムが出て来た。



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こちらは3.02mm。



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0.95mm。



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0.32mm。これは微調整に使えそうだ。



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2.5mm があった。プラス2.5mm でDi2 フロントディレーラーのご機嫌を見てみるか。あまり行き過ぎるとチェーンラインがまずい。



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2.5シム2枚で5mm。組み付け寸法は、64.91mm。これに合わせてBBシェルを65mm に削ればベアリングに良い感じのプリロードが掛かるはず。



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先ずは右側のフェイスカット。



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こちら側は、出来るだけ追い込みたくない。



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多少凹みが残っても全体に一周面が出たところでストップ。



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そして左側。3mm ラインのとことにマスキング。



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3mm 追い込むとセンタースタンドとの干渉が心配になってくる。



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船長、行まっせ!



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最早、産毛を剃るようなフェイスカットではなく、



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ほほ骨の外科手術レベル。



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頸椎ヘルニアと併発した腰痛が限界に来たので、3mm ライン寸止めで本日は終了。Di2 の問題がなくともここからが勝負。この後シェルを洗浄してBB、クランクを本ちゃん組み付けし回転が重くなるようであればまた少し削る。アジャストシムが無ければこの作業を永遠と繰り返すしかない。買ったクランクとBB に車体を合わせなければならないこのシステムは、何と矛盾なことだろうか。プリロード調整が出来ないステアリングヘッドのようなものだ。船長なら作業時間なりの工賃を惜しまず払ってくれると思うが、1万円のクランクを買って頂いたお客さんからこの分の工賃を払って頂くことが出来るだろうか? クランクの締め付けがBBベアリングに強く影響するクランクを設計した時点で、少なくとも0.2mm 飛びぐらいのアジャストシムを付属させるか又は販売するクランクメーカーは無いのであろうか? ちなみにRIDEA のBB にはアジャストシムが付属する。


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こちらスクエアーテーパーのカートリッジBB。



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勿論、スクエアーテーパーなのでクランクとの接点はここだけ。



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フィキシングボルトによって圧入されたクランクは、精々ここまでしか入ってこないのでベアリングには全く影響しない。色々なBB を設計した彼方、このBB を見てから作ったんだろ?

やっぱ、ROTOR のクランクは凄い ⇒ こちら

ここでも文句を言っております!


次回につづく、

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