DAHON SPEED RB フラットマウントフォーク(後書)

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DAHON SPEED RB に搭載されるメカニカルでありながらダブルアクション(勝手に命名)の TRP Spyre ディスクブレーキキャリパーの説明が無かったのでここに追記します。

内容は、⇒ ディスクブレーキ台座について【橋輪Blog】

RB はメカニカルだったが、tern Verge P10 などのハイドロリック(油圧)ディスクブレーキにも少し触れたい。ディスク車にお乗りでブレーキパットを自分で交換されたって方も多いと思います。ブレーキの戻りですが、パットとパットの間に入っているリーフスプリングがキャリパーピストンを押し戻すと思ってる人結構いるのよ。

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パットセパレート用リーフスプリング。





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これは暗技研さんにもらった画像で左が Shimano MTB のピストンとピストンシール。右が同じくロード用で丸いゴムリングの形状が大きく違いますね。実はこのゴムリングがピストンを戻してるんですよ。暗技研さんによるとロードより MTB の方が遥かに戻り量が多いそうです。これが最新 DURA-ACE に反映されてるそうです。


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ディスクブレーキ断面を CAD を駆使して説明します。黄色がブレーキキャリパー、ピンクがミネラルオイル、青がピストン、緑がパットで、右端の斜線がローターです。


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キャリパー内には溝が切って合って、



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ここに暗技研さんの画像にあったゴムリングが嵌ってるんですよ。ピストンシールは、油圧を保つのとピストンを戻す働きをするんですよ。


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ここにブレーキレバーから圧力を掛けていきます。まだパットはローターに触ってません。



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圧力は、ピストンを右方向へ押し、パットがピストンに押されてブレーキが掛かります。



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この時ここに注目して頂きたい。シールリップは、ピストンにより右方向に引きずられ変形しています。


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ブレーキレバーを離すと油圧が解放されシールリップが元に戻る力でピストンを押し戻すんですよ。ブレーキパットの摩耗に伴いピストンはドンドン出てきますが、戻り量は、シールリップの変形量だけ。なのでハイドロリックでは自動調整なんですね。


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ちょっと待ってください。ピストンは、シールリップで戻されましたが、パットは行ったっきりですね。車やバイクのディスクは、正にこのままなんですよ。常にパットとローターが擦ってる状態ですがパワーが勝るために無視できる抵抗なのです。でも自転車の場合は大きな抵抗となるのでリーフスプリングを追加してパットも戻しているのであります。


Brembo(ブレンボ)が AI を統合した次世代ディスクブレーキシステムを開発してるみたいですね。これには、パットの引きずり抵抗も無視できないようです。

動画の3:03秒でその部品が現れますよ ⇒ Brembo



ブレンボ凄げーな!

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これじゃ〜、幼稚園児の工作だ!