DAHON K3 フリーホイール不具合について

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DAHON K3 の一部車両(全体の1%ほど)でフリーホイールの不具合が出ております。症状は、フリーラチェットの掛かりが悪く駆動できない事があります。現在まで橋輪で170台以上の K3 を販売して来ましたが、この不具合が出た固体は、5台ほどでした。この対策として DAHON は、フリーラチェットの強化スプリング無償交換を推奨しております。

DAHON 側のユーザー告知は、⇒ こちら

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たまたま納車整備中の K3 マットブラックがありますので、こちらでご説明しましょう。(カーボンホイールではなく付属するノーマルホイール。カーボンホイールは、ハブが異なります)先ずは、5mm アレーンキーでリヤホイールを外します。


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左右のオーバーロックナットに17mm のハブスパナを掛け緩めます。



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とは言っても K3 新車の場合100%締まってませんので手で取れます。



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スプロケを持ってシャフトを押し込むと、



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スプロケットが外せます。



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お約束通りフリーラチェット部分にグリスは、一滴も付いていません。クランクの回転を止めた際、チリチリ鳴るラチェット音がこのギザギザ(山の数は、29)です。ここは、ダホンプロショップであれば納車整備時にグリスアップされている事でしょう。


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ラチェットに掛かる爪は3本。内部のリーフスプリングにより外側に広げられクランキング時は、ラチェットのギザギザに噛み込み駆動を伝達。漕ぐのを止めるとスプロケットが停止。空転しているホイール側ののラチエットのギザギザにより爪が舐められ(リーフスプリングが縮められ)フリーとなります。(縮められ)と書きましたがリーフスプリングは、縮みっぱなしではありません。ホイール1回転で3つの爪がそれぞれ29ノッチ分の山を乗り越えなければなりません。ここに強いスプリングを使うと相当な抵抗となります。


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このフリーには、この抵抗を軽減するためのギミックがあります。爪の外側に丸いものが埋め込んでありますね。



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これマグネットなんですよ。



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爪とリーフスプリングを固定するスナップリングを外します。



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左の穴には、爪が、



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右の穴には、リーフスプリング。グリスは、ここにほんの少ししか塗布されていません。



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爪とリーフスプリングが外れました。この小さなリーフスプリング、抵抗軽減のため爪を僅かに開く力しか持ち合わせてません。


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リーフスプリングによりラチェットのギザギザ側にに導かれた爪は、自らのマグネットでギザギザに張り付き食い込むのです。

頑張ってますよねこの爪。長くなりそうなので続きは明日。

明日につづく、