チェーンの話

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シマノの 8s チェーンは、6.7.8.9s で使えるという人がいるが本当にそうなのだろうか?ちょっと調べてみた。

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8 / 9 / 10 / 11s と並んだシマノのチェーン。兼用できるならこんなに細かく分ける必要がないと思うのだが。


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でも8速用は、7 / 6s と兼用だ。



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これは、多段変速用ブッシュレスチェーンでピンを抜くだけでここまでバラバラになる。



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内プレートの穴にプレス加工することでフランジを形成しブッシュとしているためローラーチェーンよりブッシュ2個分部品点数が少ない。


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先ず内プレートのフランジにローラーが乗る。



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次に外プレートに圧入されたピンがこの穴を通ります。ローラーはピンと接触していないのが分かる。



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もう一丁内プレート。



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起こしてみるとこんな感じ。



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更に外プレート。ここは圧入になります。よってピンと一体化しているのは、外プレート2枚のみとなる。故に捻じれ方向に柔軟性のある多段変速に適したチェーンとなります。



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そしてピンとピンの距離をピッチと呼びます。自転車の場合シングルでも11速でも12.7mm。ここまでは何速でもOK ね。


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問題はここでインナーリンク内内とアウターリンク外外の幅。シマノのデータを見てみると。


              インナーリンク内内    アウターリンク外外
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6.7.8s             2.4mm                           7.1mm
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9s                   2.2mm                           6.6mm
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10s                 2.2mm                           5.88mm

6.7.8s は、大きく違うが 9.10s はインナーリンク内内が全く一緒。だが10s の方がアウターリンク外外が 0.72mm 狭いことが分かる。この後2013年に DURA-ACE 11 Speed が登場しアウターリンク外外は、10s より更に狭い 5.62mm となるのです。


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こちらシングルスピード用ローラーチェーン。インナーリンク一対は、圧入された二つのブッシュで繋がっているためピンを抜いても分解されない構造。捻じれに強くシングルスピードに向くが、重量が嵩む。


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表記は、1/2(12.7mm)× 1/8(3.3mm)。多段チェーンと比べてインナーリンク内内が、3.3mm と広く通称「厚歯」専用となる。ブッシュを貫いたピンはアウターリンクから突き出し、ここをカシメているので突き出している。


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これに比べ多段用ナローチェーンは、アウターリンク外外とピンの長さが同じでフラット。

これ故に KMC では、チェーンの幅を「ピンレングス〇〇mm」と表記している。ちなみに KMC の 9s は、ピンレングス 6.6mm、10s 5.88mm とシマノと同じだが、11s は、シマノの 5.62mm より更に狭い 5.5mm となっている。いずれにせよこの細かい数値の違いを見てしまうと9速カセットには、9速チェーンを使うってことだね。

お粗末!