ディスクブレーキ台座について

MTB だけのものかと思っていたディスクブレーキもグラベルロードに端を発しクロスバイク、ミニベロ、ましてやフォールディングバイクまでにも採用され始めている。これは遂に勉強しなければとの思いに駆られる。今回勉強したいのは、ディスクブレーキキャリパーの作動ではなくその取り付け方法についてである。その前にキャリパーの作動について振り返ってみよう。




TRP SPYRE ディスクキャリパーについて

昨日ご紹介した ARAYA Muddy Fox CX Mini に装着されているディスックキャリパーですが、メカニカルディスク(油圧(ハイドロリック)ではなく機械式でブレーキワイヤーで引くタイプ)ながら凄い機構を持っているんですよ。

TRP って元々TEKTRO のレーシングスペックモデル(テクトロ・レーシング・パーツとでも読むのか?)で、ハイグレードな製品をラインナップしています。普通メカニカルだとシングルアクションなのですが、ハイドロと同じくダブルアクションになってるんです。

IMG_0207
ディスクキャリパー:TRP SPYRE MD-C605C
普通のシングルアクションのキャリパーだと「SPYRE」の文字が入るレリーズレバーを右のブレーキワイヤーで引く片押しタイプとなります。


IMG_0209
ところがこれ反対側にも繋がってるんです。



IMG_0208
IMG_0212
両側にレリーズレバーがありダブルアクションなのであります。それではダブルアクションが何故よいのか説明しましょう。



IMG_0227 - コピー
これは、ハイドロリックディスクブレーキの説明です。灰色がキャリパーボディー本体、赤がブレーキパット、青がディスクローターです。ピストンとシリンダーは省略してあります。ハイドロですと左右のパットにピストンを持っています。ピストンが入っているシリンダーに油圧(左右のシリンダーの油路はバイパスされている)を掛けるとパスカルの原理で均等にパットが押されます。ですから調整の必要がないのです。では何故ブレーキレバーを放すとピストンが戻るのでしょうか。油圧を掛けるとシリンダーとピストンの気密を保つシールリップがよれ圧力が下がるとよれが戻る力でピストンを元の位置に戻すって訳です。でもピストンが戻ってもパットは戻らないのでは。その通りです。自動車やモーターサイクルのディスクブレーキでは、パットは常にローターに軽くこすれている状態です。エンジンパワーが大きいので無視できる抵抗なのです。ですが自転車では大きなロスとなるので、セパレーター用にリーフスプリングでパットも戻しています。先ほどのシールリップの機構からブレーキパットが減る度に自動調整してくれるのもハイドロの特徴です。

IMG_0227 - コピー (2)
お次は、シングルアクションのメカニカルディスクです。右側のパットはボディーに固定(出し代の調整はあるが)です。パットを押しているのは左側のみ。今フレーキレバーを握り始めした。左パットはローター当たります。右パットはボディーに固定ですからローターに触ってません。これで終わりかと思いきやメカニカルの力でもこんなもんではありません。まさかのこの後ローターがしなって左右のパットが掴むのです。いやでしょ〜! ですから調整が面倒なのです。

IMG_0227 - コピー

メカニカルでありながらハイドロの動きを可能にした TRP。
こうゆう部品好きだな。流石です。

ああ、この絵書くの大変だった!