ロールス先生のダブルパイロン(テストライド編)

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そして何時もの撮影スポット呼塚防災公園にて。普段は平日ばかり来ているが、土曜日となると散歩の人や大堀川ルートを走るライダーが大勢いました。

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中空クランクから向こうが覗く完全真横のショット。こう見ると必要最低限のトラスが巡る。



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ANDOZA ホイールの美しさを映す斜めショット。ニッケルのクールな輝きとリム山のなだらかなアールが織りなす優美さの融合だ。



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たまたま同じ井出達のウエアーで行きかうライダーにピントが合う。彼らはこの骨骨自転車には興味がないようだ。



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角度を変えるだけでこんなに姿を変えるダブルパイロンフレーム。



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撮影中何処からともなくお散歩中のモールトンマニアが集結。モールトン談義が始まる。



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今回のお気に入りのショット。さながら冬季ロンドンのケンジントンパークか。

撮影後少し試乗してみた。ギヤ、チェーンに施した「チタンの鎧」だが、流石オーナーでなければフリクションロスが低減されたかは体感できなかったが、確かに変速性能は上がったと思われる。特に大きな力が掛かるフロントチェンジのインナーからアウターへと登るシフトではトリプルギヤの1 UP ぐらいにスムースになっている。

それとこのダブルパイロン乗り心地が格段に良い。路面の細かな凸凹を良く吸収してくれるフロントサスペンションを持つモールトンでは、その次にくるリヤタイヤで軽い突き上げを感じる。これはフロントサスよりリヤのラバーコーンサスが固い為だ。だがこの2013 ダブルパイロンはそれがないのだ。2014年以降のダブルパイロンしか試乗したことがなかったので分からなかったが、これはすごい発見だ。

NEW シリーズの特徴であるフレクシターフロントサスペンションは、内筒と外筒の隙間にラバーを充填させそのトーション(捻じれ)をバネとしている。
その4で書いたように2013以前のダブルパイロンは、オールフレクシターでリヤスイングアームピポットもフレクシターとなっている。ピポットボルトを締めると内筒のみがメインフレームと一体となるが、ラバーをかえしたリヤスイングアームは、一切金属接触していないフルフローティングだ。これはラバーコーンにプラスしたもう一つのサスペンションと言える。


では何故2014年以降この素晴らしい乗り心地を生むオールフレクシターを止めたのか。DV 富成次郎氏によるとピポット穴を真円にする面倒なリーマー加工をお城のメカニックが省きたかったからだそうだ。フロントには、フレクシターを圧入するパイプに割が入っているが、フィックスのリヤは、ストレートリーマーを巧みに使い真円加工しなければ正確に圧入できないからであろう。


ダブルパイロンは、2017年にフロントサスペンションにアップグレードがあったが、ここで2013年以前モデルの価値観が上がった気がする。