BIG APPLE を履くとなぜ安定感が増すのか?

本日16日は、展示会が重なり色々と(飼い猫がお亡くなりになったり)バタバタしたため再放送でお送りします。

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SCHWALBE BIG APPLE 14×2.00(50-254) 2.600円(税別)

14インチ小径フォールディングバイクにビックアップルは、全国的なブームへと発展しました。SCHWALBE BIG APPLE 14×2.00(50-254)は当初、日本国内では橋輪オリジナルでしたが、現在では他の販売店でも入手可能になっています。ビックアップルに交換された方の殆どが見た目のカッコ良さ以上に「安定感が良くなった」と言われます。これは”やりだしっぺ”として、なぜ安定感が増すのかを説明したいと思います。

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フレームヘッドパイプの角度をヘッドアングルと言います。その延長線と地面が交わる角度がキャスター角です。

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そしてフォークは、前方に反っている形になります。これはキャスター角とは全く別物で、オフセットと言います。

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キャスターが地面に到達する場所(赤線)。車軸から垂直に下ろした線(黄色)が地面に到着する場所。この2点間の距離をトレールと言います。このトレールが直進安定性を生み長いほど高まります。


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キャスターと言うと台車に付いたこれを想像しますね。進行方向右にキャスター角(ゼロですが)それに続く黄色い線で長いトレールが出来ています。よってタイヤがあちこち向くことなく押し手に追従して走るわけです。でも自転車と違ってオフセットが後ろ向きですね。トレールが長くとれるのなら自転車もこうで良いんじゃん?

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tern オーナーは、畳む度にこうしてますよね。これでもいいってこと?実際にやってみると分かりますがハンドルを180°切ると車体が持ち上がるのが分かると思います。これヘッドアングル(正確にはオフセットも含めた)のお蔭でフレームが持ち上げられている状態で非常に不安定です。

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ハンドルから手を放すと元の位置に戻ろうとします。

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乗車して更に荷重が加われば一番低いこの位置まで戻ろうとする。これ自動車工学ではキングピンアングルと言う言葉を使いますが、自動車のハンドルを切る(回す)と車体を持ち上げる効果が生まれます。切ったハンドルから手を放すと勝手に戻るのは、車重が元の高さまで下げる力が働いているからです。正確に言うとこれも直進安定性に関与しますが、今回は無視。


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では先ほどの台車のキャスターと自転車は、本当に逆なのか?キャスター角が押しているのは矢印の場所です。

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タイヤ接地面との関係を見るとやはり同じく後ろになっているのです。引っ張っている(トレイル)わけです。


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話が複雑になるのでオフセットは無いものとし、この角度をキャスター角とします。


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違いを明確にするためノーマルタイヤの外周を極端に小さく青で書きました。


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地面も書き込んでトレールを記入。次に写真のビックアップルを紫で囲いました。



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一目瞭然で、ビックアップルの方がトレールが長くなっています。


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それでは、なぜトレールが長くなると直進安定性が増すのかは、これを縦から(キャスター角の上から)見ると分かりやすいです。進行方向前方の赤点が、ハンドルを切るコラム中心線です。それに引っ張られているのが黄色の地面とタイヤの接点です。(この図書くの大変だった!)

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ハンドルが切れ込むと路面との抵抗が発生し、黄色点は、赤点を軸に元の位置に戻ろうとします。これがトレールです。2点の距離が長いほど復元力が増加するわけです。

KIMORI COLOSSUS HR 計画で20インチから17インチに変更する際、「トレールが減るのだからその分キャスター角を寝かして直進安定性を増す方が良いのでは?」とのクエスチョンに木森先生の回答は、「それは逆でキャスターを立たせるのです」でした。

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方眼紙に書いてみると納得できますよ。

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