Dynavector DV-1 アンチノーズダイブについて

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Dynavector DV-1 は、モールトンと同じリーディングリンク方式のフロントサスペンションを採用していますが、アンチノーズダイブ機構を備えています。アンチノーズダイブとは、サスペンションフォークにおいてフロントブレーキを掛けた際、フォークが沈み込むのを防ぐ効果があります。1980年代のモーターサイクルレース界で各メーカーがごそって採用した機構で、Kawasaki は耐久レーサーにロッドを用いた機械式を採用し、その後油圧式へと進化した。DV-1 のフォークには油圧はないので、メカニカルアンチノーズダイブを採用したわけだ。これが大変難しくぼくも理解できないのだが、アメリカの有名なレーシングカーシャーシスペシャリストに教わったそうだ。4輪のレーシングカーに昔から採用されている高性能フロントサスペンションシステムにダブルウィッシュボーンサスペンションがある。フロントホイールの中心に位置するナックルスピンドルを上下二つのアームで支持する方式で、この上下アームの角度を最善にすることでコーナリング時のロールを押さえる作用が発生する。これを DV-1 のアンチノーズダイブに導いたようだ。

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これが、ぼくが勝手に命名した DV リンク(レーザーでDVの刻印が入る)で、ライダーが乗車した際、プレート上面が前下がりでないといけないらしい。


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ライダーの体重に合わせてスプリングの強さを調整する。8mm スパナ2本でロックナットを緩めます。



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下側は、逆ねじ。



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ターンバックルの要領で締め込めば硬く、緩めれば柔らかくなる。これを左右均等に調整。



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ボトムリンクと、DV リンクを線で延長してみる。



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この線が後方で交わる点を仮想ピポットと言うらしい。この交わった点が地平線の下に入ってしまうとアンチノーズダイブ効果は無くなる。

DV-1 だとDVリンクの角度が見えづらいので、明日はダブルパイロンで説明したい