みなさま、こんにちは。Yuboです。


今回は最近はやりのスマートライトを取り上げてみたいと思います。

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自転車のスマートライトといってもイメージがわかないかも知れませんが、私の知っている限りでその特徴をあげるとすれば、周辺から得られる情報に応じて、光量や点滅速度が切り替えられること、何らかのネットワークにつながっていること、機能の一部がソフトウェアされていてアップグレードされること、などでしょうか。

おまけとして本記事の末尾に掲載しているライトでは、もはや単なるライトとしての機能を超える付加価値が付いていたりもするので、その意味では最近のスマートライトは、前方/後方から得られる情報をどう処理してこれを付加価値に変えていくか、という汎用的なデバイスとして生まれ変わりつつあります。

私自身は、Garmin のリリースニュースを見て、(いつものことですが)ほぼ衝動買いに近い形で、UT800 を注文してしまいました。ですが、実際にモノが届いて橋輪さんに引き取りにいったときのファーストインプレッションは、「あー、またやってしまった。。。」でした。なにしろ箱を持ったときの印象が、うぅ、やたら重いでしたから。

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考えてみれば注文したのが去年の暮れで、そして届いたのが2月のことでしたので、およそ一ヶ月を経る間に何に魅力を感じて発注したのかすら忘れかけてしまっていたわけです。名前に「スマート」とついていれば何でも良かったような気がします。

とはいえ、やはり物理的な側面についても無関心なわけではありませんでした。同じモノならもちろん軽い方がいいに決まっています。それまで使っていたのがキャットアイVOLT300だったのですが、とくに不満を感じていたわけではありません。一つのポイントとなったのは、Garmin のサイコンと一体型になっているマウントでした。
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想像していたとおり、メーカー純正品を含めて一般に販売されているマウントより若干大きく、マウント部の底面は別の造りになっています。これぐらいの大きさであれば、重さの差はほとんど感じません。
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ここに特殊な形状をしたアダプターをはめ込んで、
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ライトにとりつけ
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(マウントの固定に大きめのネジが使われていることが気になります。。)
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これをさらにマウントに取り付ける形になります。
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この冗長な組み付け方により、ハンドルバーに取り付けられたマウントを固定したまま、ライトの角度を変更できる他、取り外しも自由に行えるわけですが、取り付け方が独特でライトを回転させて取り付けるのではなく、上下にとがった突起部分を掴んで気持ち20〜30度くらい回して固定します。これは Garmin の標準的なマウントが 90度回転させて取り付ける仕様となっているのとは異なります。

しっかり固定されているようには思えますが、今後長く使っていく過程で、荒れた路面を走ったりしてもはずれないかどうかは試してみないと分かりません。製品紹介ビデオなどを見る限り、オフロードでの利用が想定されているようで、その点は心配ないかも知れません。

ただ、土の上に落としてもこのライトは壊れないでしょうが、堅いコンクリートやアスファルトの路面で走行中に落下させたら、すぐにお釈迦になってしまいそうな気がします。これも従来のライトであればあまり気にならなかったことですが、「スマート」になった分、外見は多少傷付いただけでも中味だけ壊れるという形で耐衝撃性が失われてしまうとか、余計な心配事が増えたことは間違いありません。

そこで、とりあえずメーカー公称値としての重量を改めて確認してみたのですが、箱に書いてあるとおり130gとなっています。ここでもう一つの購入動機が、現在使っているVOLTの最新版VOLT800の重量140gよりも10g軽いことにあったことを思い出しました。そこで、さっそく計量してみます。

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VOLT300のメーカー公称値は120gなので妥当でしょう
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主に取り外す部分として比較した場合、40g近くUT800の方が重いですね。もしかするとVOLT300の方は、マウントを含めた重量なのかも知れません。これはかなり残念なポイントでしたが、軽さだけを重視するならVOLT300の方に当然軍配が上がるでしょう。

これだけでは物言いがつきそうなので、もっとイーブンな条件で改めて比較してみることにしましょう。本来比較すべきは同じ明るさのVOLT800の方なので、比較対象の重さを116+20=136gと仮定した場合、ここでポイントとなるのは差分の17gの付加価値がUT800に見いだせるかどうかです。

気を取り直して本体の方を確認してみましょう。

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上下どちらに付けてもGARMINのロゴが逆さまにならないのはデザインとして評価できます。
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背面はまあ想像通りでしょう。
VOLT シリーズのバッテリーが脱着式なのに対して、UT800は内蔵式です。そのため SONY のアクションカムのように、給電しながら使用できると嬉しいのですが、それはまた別途要検証です。
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この部分は従来のVariaシリーズと互換性があるようなので、付けっぱなしにしてもよいのであれば、これまでのVaria互換マウントがそのまま使えるようです。その場合の難点は、ワンタッチで付け外しができないことですが、少しでも軽量化したい場合や、盗難が心配な場合は、直付けの方がいいかも知れません。
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充電中はグリーンライトが点滅します。ステータスは点灯方式(常時点灯、点滅など)と色(レッド、グリーン、パープル、ブルー)の組合せで表示されますが、詳細については下記のページをご確認ください。
Bike Light Status LEDs

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とりあえずハンドルバーに取り付けてみました。私のロードのステムは幅広タイプで、しかもハンドルがエアロ形状、おまけに固定の仕方が独自ネジなのでフロントにネジもありません。ですがこれだけマウントの取り付けスペースが少ない場所でも運良くしっかり固定することができました。

サイコンとのペアリングすませて使い勝手を確認してみました。すると、LEDがなにやらピカピカ光っている様子です。

サイコンの電源を入れてみたところ、おおっ!

連動してライトがONになるではないですか!まるで車のエンジンをかけたときのようです。これは所有感が増します。次に、気になったのは電源オフ時どうなるかでしたが、
 
以前から使っているVaria Rear Radarと同様に、同時に電源が落ちました。これはGarmin純正ならではの機能ですね。
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走行中もサイコンにバッテリー残量が表示されるので、管理上はまったく問題なさそうです。

実際に走ってみると、設定次第では昼間でもトンネル進入時にライトが点滅から点灯に切り替わったりもするので、昼間ですとわざわざこれがしたくてトンネルを好んで走りたくなるくらいです(切り替わるタイミングは車ほどタイムリーではないですが)。

余談ですが、私が昼間トンネルに入って怖いと思うもう一つの理由は、とりわけサングラスをしているときですが、一瞬で視界が暗闇になってしまうことです。これについては、調光グラスを利用するなどの対策が有効であると思っていますが、こちらは物理的にスマートになっているともいえるでしょう。

いずれにしても、周辺の状況(英語ではambientとかcontextとか言いますが、ピンと来ませんね)に併せてスマートに光量や点灯方法を調整してくれることが分かりました。これは外部からの情報に対しリアクティブに機能を変化させる例と言えるでしょう。

別の例としては、記憶はおぼろげですが、確かリオ・オリンピックでSpecializedかどこかのチームが、温度差に応じてロードバイクのフレームの色を変化させる塗装が施されているものがありましたね。こちらも目に見えない情報を視覚化する例ですが、このように自転車を取り巻く情報に対する「スマート」な機能も多様化しつつあると言えます。

お話しをUT800に戻すと、一つ気になったことは、先ほど動画で示したような形で、ブルーに点滅して待ち受け状態になっているときと、ライトの電源を完全に落としたときとで、バッテリーの減り具合が
どれくらい変わってくるのかだったのですが、私が調べた限りでは、これに関する情報は見つかりませんでした。

Headlight Light Intensity Modes and Battery Life

以上、掻い摘まんでUT800の機能をレビューさせて頂きましたが、正直な感想としてこのライトの特徴はGarminのサイコンと設置場所が統合され、これと連動することに尽きるので、それを期待されている方にはお勧めできます。私的には重さなど忘れてしまうくらい、むしろ昼間でも夜間でも常時付けたままにしておきたい必須アイテムとなりつつあります。

既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、ambientに連動して光量や点灯方法を切り替えられるライトは、UT800独自の機能ではなく、他にもいくつか商品化されています。むしろ時勢としてはGarminが満を持してこのような商品をリリースしたという感があり、単なるスマートライトと呼ばれるだけには止まらないような気がしています。

たとえば、UT800というかGarminに期待していることがありまして、それは前方のスマート化だけでなく、後方もスマート化してもらうことです。動画でとりあげたリアビューレーダーはライバル商品がほぼないに等しく、現状のものでも洗練されたデバイスではあります。

しかし、Garminがデバイスのスマート化に踏み込むのであれば、将来のファームウェアアップデートないしは次のバージョンで、UT800同様に速度の連動してライトを変化させるようにしてほしいと思っています。

先ほど動画でとりあげた、Garmin Rear Radarの最大の特徴は、後方から接近してくる物体の距離を乗り手にビジュアルに表示してくれることにあるにあります。今のところ後方から接近している物体(車等)に対して、より接近した際に点滅速度を上げる、という反応はしてくれるものの、自転車の速度に応じてライトの表示方法を切り替える機能は備えていません。つまり、後方から接近する側には、距離が近づいていることは認識できるのですが、自転車が減速しているという情報が伝達できないのです。

望むらくは、車のブレーキランプのように、自転車の減速時にテールライトの表示が点滅から点灯に切り替わることですが、技術的には加速度センサーさえ付いていれば難しいことではないと思います。また
集団走行時に後方に片手でハンドサインを送るという原始的な信号は、ある意味とても危険な手段ですので、まだまだテクロノジーで改善できる余地があると思っています。

個人的にはUT800がサイコンに接続された際に、「接続を確立」するという表現ではなく「ライトネットワークに接続」するという表現になっていることがとても気になっています。これはGarmin Edgeを中心にフロントライトだけでなく、他のライトもネットワークに参加できるなるようになることの予兆なのか、その真相については近い将来のアップデートに期待したいところです。

〔その他のいけてるスマートライト〕
加速度センサーと連動して、(急?)減速時にブレーキランプのように点灯したライトが変化する機能を備えているようです。
盗難アラートなど、スマホと連動して様々な機能を備えたクールなライト。機能については、こちらのページが参考になります。

See.Sense Icon rear light

ライトそのものに、警報を発する機能はないようですが、将来こういう商品が普及して「See.Sence」=> 「Be.Secure」として認知されると、SECOMのシールみたいに貼るだけで盗難予防効果が得られそうです。その意味では、シールのデザインも従来の堅牢なイメージのものよりも、直感的に「スマート」さを感じさせるものである必要もあるでしょう。このあたりになってくると、人と物とが直接対話して「スマート」さを競うレベルになってきますね。

スマートライトは、デバイス自体が知性を持っているかのように、ユーザに対して自律的に振る舞うものだと考えていますが、これまで単なるライトに過ぎなかったモノが、様々な形で魅力的なデバイスに成長してきている姿を目にするのは、一人のガジェット好きとしてはとても楽しみなことです。