リヤスイングアームピポットのリペアー

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ピポットに大きなガタが出ているにも関わらずスピンドルは、ハンマーで叩抜かねばならないほどでした。


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ブラスブッシュを抜いたところ。



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ピポット内を覗く。酷い仕上げってか工法ですね。ここだけは、ロー付けなんですね。普通はここから伸びるパイプの端をエンドミル加工でピポット側のパイプ合わせてからロー付けするのに、ピポットパイプに穴開けちゃってロー付けした後にミーリングしたんだね。ちなみにお城製は、穴開いてないそうです。

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APB リヤピポットキット 8.000円(税別)



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ガタが来てたのはブラスブッシュの摩耗ではなく、スピンドルの長さが足りていなのが原因で、これ新車からだね。それとこの断面。丸くカットするってパイプカッターで切ったのか?


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フランジの平行度を見てみよう。



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リペアキットのスピンドル長は、ピッタリ。上下に動かしてもその位置に止まるんで平行度もよし!良かった〜。


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新品のブラスブッシュを圧入。



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圧入した左右のブラスブッシュに平行度が出ていませんでしたので(あの内部仕上げじゃあたりまえだが)スピンドルの挿入には、抵抗が出ましたがリーマーを通してガタがでるのがいやなのでこのまま行きます。今、向こう側のスピンドル端面とブラスブッシュが面一で、手前側が少し爪が引っかかるぐらいに飛び出した状態。これなら件の方法でぼくにも対処できます。


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リヤアームをセットして、



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規定トルクで締め込みます。



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これでピポットボルト、フランジ、スピンドル、ナットが一体です。爪が引っかかった分だけ隙間があります。リヤアームと一体になったブラスブッシュは、スピンドルの周りを滑りベアリングの役目を果たしていますが、軸方向には役に立っていません。


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この隙間分、揃えておいたシムを入れてあげます。



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ここでシックネスゲージ登場。自分で言うのも何ですが、これは簡単でいい方法ですよ。



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探ってみると0.1mm と0.15mm の0.25mm が入りました。



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内径13mm 外径19mm のシムから



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0.2mm と0.05mm をピックアップ。



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薄い方を奥にしてグリスで張り付けます。



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シムがずれないよう注意してフランジへ。



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規定トルクで締め込めば良い感じになるはず。



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Good!



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ラバーコーンは、26年も経過してますが劣化やヘタリはありません。これ一生もんですね。アルミパーツには表面の腐食が見られますので磨きましょう。



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ほれ新品みたい。



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これでリヤスイングアームのリペアーは無事終了!



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そうそう、このリヤディレーラーハンガーですが、
親切にもTwitter で教えてくれた方がいました。


"シマノでは、リヤディレーラーハンガーを部品として販売したことはないそうだ"

えーと、安チャリいじりの定番品「シマノ リアディレーラーブラケットユニット」ですな。現在では廃盤品だそうで。

とのことです。

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ぼくも調べてみたらこの本に出てましたね。



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シマノ相談窓口に問い合わせした時に対応頂いた方の声が凄く若そうで「聞く人間違ったな」って思ったんです。やっぱ販売してたんですね。それとこのエンドAPB最初期のものらしく、右と左のエンドピースを別々に作るとコストが嵩むって理由みたいです。当時は、型刃を作ってプレスで抜いていたのだろうから型代が高価だったてことかな。
当時のパシュレー「せこ!」

次回につづく、