DAHON Mu Elite フロント変速操作力を軽減する その3

さて、昨日の”その2”までの作業は、皆さん購入頂いた各販売店で既に調整済だろうと考えます。それでは本題の Mu Elite のフロント変速操作力の軽減方法をレクチャーしましょう。その方法は至って簡単。取付ボルトへのワイヤーを掛けかえるだけ。本当にインチキ技なので自己責任で!

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最早、ロングアームフロントディレーラーの付いた DAHON アルミフレームでは、はっきり言って Hi / Lo アジャストスクリューなどいらないと言っても良いくらいです。


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それではケーブルが、どのように張られていたのか見てみましょう。これはDAHON の工場でアッセンブリーされていた張り方です。コンバーターは、当然有利に働く ON 状態。


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アジャスターの付くアウター受けから斜め下に伸びたインナーケーブルは、半分見えているプーリーを返して上方へ、


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プーリーからアームのワイヤー止めに向かいます。



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これは真後ろから見た光景です。フロントディレーラーのパンタグラフの4ツの支点作用点のほぼ真ん中をケーブルが貫いています。これは何を意味するかと言いますと、アームは、ほぼ真下方向に引かれるケーブルにより右に傾こうか、それとも左か迷っている状態です。


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アームを指で内側に押すと、いとも簡単に倒れてくれますが、



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真下に押したのでは、ビクともしません。



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頭上に重たいものを乗せても背骨は曲がりませんが、



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片手で持つとすぐよろけますね。戦闘機パイロットも必死です。



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その2で上げたシマノマニュアル。上の図がコンバーターONで、下がOFF。一番左の上下が正解で中央と右の掛け方がダメ。ところが今回ON でも OFF でも関係ないほどに距離が足りない。


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そこでこの「間違ったセッティング」をやっちゃいます。なるべく遠く(内側)から引けるようにするのです。「でもワイヤーが喰う溝に入らないのでは?」安心して下さいワイヤーは真下に引っ張られるより斜め横から引かれた方がよっぽど楽ちんですから。


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ワイヤーを取り付ける前にケーブルアジャスターは、縮めておきましょう。



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ケーブルは、既に工場で短く切られてしまってますので、インナーワイヤープライヤーは使えません。



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取付ボルトの後ろ側を回したワイヤーをノズルプライヤーでつまみます。クランクアームに手の甲を付け、こじるようにすると結構引けます。このままもう一方の手を使い六角レンチで締めれば一人で出来ますね。これでもかなりのテンションが掛けられます。


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更に、ワイヤーにテンションを掛けようとアジャストスクリューを緩めようとしますが元が共回りしてしまいます。


ここでまた一人でやれる画期的な方法。自分の趣味なのに奥様に手伝ってもらうわけには行きませんよね。

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先ず、左手で強制的にアームを倒します。



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浮き上がったケージとシートチューブの間に、すかさずカエルなどを挟み込みます。



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アームを押す手を放すと、


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挟まれたカエルは、たまらず目を赤く光らせました。



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カエルのお蔭でワイヤーに遊びが出ました。



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ワイヤーにはテンションが掛っておらず、しかも両手が使えます。テンション調整が出来たらカエルを外すのをお忘れなく。



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フレームの個体差や年式によるクランクセットの違いでワイヤーがフレームと干渉する個体があります。



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干渉するようであれば保護シールなどを張っておきましょう。



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格段に軽くなっているはず。一度試してみる価値ありですぞ!



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あれ? 今まで使ってなかったのに今度はトップ&ローでトリム操作しなきゃだめだな! そうなんですストローク量も確実に増えているのです。

次回はその辺を