DAHON のアルミシートポストが曲がる件

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FF-R ALUMI SEAT POST 339 φ33.9mm 550mm  9.000円(税別)
FF-R シートポストの詳細は、⇒ こちら

K 技師より問い合わせが来た。「Litepro のシートポストが曲がってしまったんですが橋輪さんで販売しているFF-R は、大丈夫ですか?」 うちではライトプロであろうがライトウイング、純正、コントロールテックカーボンでも曲がったって話は聞いたことないですよと答えたが、慎重なK 技師、心配性なのか難しいことを聞いてくる。「も〜そんな難しいこと言われてもさっぱり分かりませんよ!」 「じゃー、うちで退色テストのために半年間Mu P9 の試乗車に取り付けていたものがあるから持って行ってテストしてみたら!」 「その代わりにレポートしてね」 「曲がったら【橋輪Blog】に出せないけど(笑)」 でK技師から届いたレポートがこれだ!


本レポートでは、主にFF-Rシートポストの耐久試験結果について報告する。

【目的】
軽量で丈夫なDAHON用シートポストの探索と入手。また、その記録。

【まとめ】
・FF-Rシートポストの耐久性を検証した
・往復30 kmの市街地で、計13日間の試験走行を実施した
・装着車種はroute 2012
・クランプ部に薄い傷はついたが、一切曲がらなかった
・同様の方法・期間でLiteproは3度曲がっていたが、そのような懸念は払拭された

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【理論】
パイプの曲げ強度計算において用いられる指標について述べ、試算結果を示す。

1. 断面係数
詳細な理論は割愛するが、一般に管の断面係数は曲げ強度計算に用いられ、次式で表される。

z1-formula

同一素材の場合、Z1を比較することで、強度比較できる。
 

2. 引張・曲げ強度
金属で同一形状の場合、引張強度(曲げ強度)を比較することで強度の比較推定ができる。

引張と曲げ-2

図1: 引張試験(左)と3点曲げ試験(右)

表1に、主に自転車に用いられる材の引張/ 曲げ強度を示した。
 
表1: 素材強度一覧
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3. 試算結果
前記の指標に基づいて、FF-RやDAHONシートポストの強度を比較したのが表2である。
FF-RはほぼDAHON純正品と同等の強度設計と考えられる。

表2:各種材料の強度比較 
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表2補足
・純正については、D社の主張の通り、6061-T6の20%強度増としている
・CFRPについては、より強度の小さい曲げ強度を数値として採用した
・重量は直管想定でヤグラなどは考慮しない 

なお、右側3列については、「ありそうな」値を適当に入力しており、実測ではない。


【非アルミシートポストの小考察】

1. カーボン
この素材をDAHONシートポストに用いると、運用について制約がある(過去のエントリーを参照)。
DAHONの見解は不明だが、少なくとも摩擦増強のコーティングについては、可能性があったはずである。
摩擦力を高めた特殊なシムや締結具の開発については検討の余地がある。

2. チタン
6-4チタンなどを使えば、前表の通り、十分に軽量化は達成できる。
金沢輪業などからも発売されていたり、それ以外にも3-2.5チタンがフレーム材として存在してはいるが、シートポストとしては可能性がまだまだある。
コスト改善や「チタンならでは」という訴求点の設定も含めて、業界の奮起を期待したい。

3. マグネシウム
マグネシウムは耐食性の観点から、屋外使用に耐えられる仕様検討が十分とは言えず、加工も難しいとされているが、ここ数年で合金の開発も進んでいる。
これらの問題が現場レベルでクリアされれば、さらに軽量で、振動減衰性も改善されたシートポストになるだろう。


【試験条件】
 
[装着車種] DAHON route 2012
[サドル] TIOGA Fortis Aura, 434g
[シートポスト差しこみ深さ] 金属部最下部よりクランプ上面で11cm
[乗り手重量] 約80kg
[走行ルート] 距離30 km/day, 神奈川県〜都内の国道2号線および住宅街

[屈曲度計測法]

・転写式(定量)
図2のように、目視によりシートポストの側面見出したのち、紙に押しつけ、ペンを紙に垂直にしてシートポストをなぞり、屈曲部の角度計測をする方法(前面は進行方向)。
分度器か、それが難しい場合は正接を読み取り角度計算する。
分解能がペン先太さに依存するため、0.3mmシャープペンなどが望ましい。

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図2
 
・転動式(定性)
サドルや金具をすべて外し、平らなところでシートポストを転がすと、屈曲している場合には偏心して回転する(図3)。

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図3


【結果】
実走行期間は13日間(雨天含む)であった。
走行を終えて前記計測法により測定したが、屈曲は一切検知することができなかった。
一部、クランプに浅い傷は確認できた(図4)。

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図4-a

 
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図4-b
 

参考までに同様の方法で10日間試験したLiteproブランドのアルミシートポストの写真を示す(図5)。

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図5

大きく曲がっているが、角度計測したところ3度の屈曲を確認した。

また、DAHON純正のシートポストについても同様に計測したところ0.64度の屈曲を確認した(図6)。

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図6

ただし、これは購入から4年にわたって進行したもので、Liteproなどとは比較にならない。


【考察】
乗り手の使い方としては、クランプ上面から、サドルまでは42cmあり、荷物を含めた重量は80kgジャストである。
つまり、国内では比較的負荷の大きな部類であると思われる。
平均的な日本人成人男性の体格(170-175cm, 65-70kg)においては、純正もFF-Rも問題なく長く使えるものと考えられる。

Minimum Insert Lineの印刷位置は適正とは思えない。
パット印刷か何かだとしたら、ワークの位置をずらしてみてはどうだろうか。
2014 T6の表記は額面通りと受け取っていいだろう。

純正シートポストでは、図7のような筋交いが入っており、これが強度向上に貢献しているのであれば、耐久力はもう少し上の数値かもしれない。

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図7


【結論】
FF-R アルミシートポストを所定の条件で試験したところ、クランプ接触部に薄い傷が見られたが、目視でわかる屈曲や、クランプ部の痩せは発生しなかった。問題なく使用可能である。

【謝辞】
本テストに当たり、橋輪殿によりFF-Rシートポストの貸与をご快諾いただきました。
心より感謝申し上げます。

【公開に際して】
本レポートはシートポスト選択において科学的アプローチを試みたものであり、記載内容により強度等一切を保証するものではない。
内容に基づいて生じた不利益については、橋輪および筆者は一切の責を負わない。 

【出典】
*1: http://www.zerocut-watanabe.co.jp/contents/handbook/hand041.html
*2: 数値は曲げ強度。http://www.sankyo-ss.co.jp/about-cfrp/performance.html
*3: http://www.ofa-titanium.com/product/titan/ti64.html
*4: http://www.ofic.co.jp/mg/mg02.htm

凄い内容でしょう。ここまで突き詰める人まずいないと思いますね。しかもK技師、FF-R を1本お買い上げ頂きました。そうそうキズが付いた原因は、長年酷使したシートポストシムにあると思います。中級グレード以上の車体に装着されている純正シートポストシムを取り寄せますので、こちらも合わせて交換をお勧め致します。

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暗黒技研お手製超精密アルミ削り出しDAHON シートポストシム。

「DAHON のカーボンシートポストが下がる件」てのも随分やったな〜
DAHON のカーボンシートポストが下がる件
暗黒技術研究所「秘密基地」に潜入!
暗黒技研の正体は?
薄いシートポストシムをアルミむく材より切り出す
60kg 以下の体重の人だったらこれで行ける
誠に勝手ながらKCNC ライトウィングを推奨させて頂きます
”しつこく”DAHON のカーボンシートポストが下がる件 言い訳編 & 船長来店