ストレートリーマーを考える

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今回使った12.7mm のストレートハンドリーマーは、1本6.000円もする。だが完全に貫通させて使うには少し太すぎるような気がする。0.1mm 飛びでラインナップするが、では12.64mm のスピンドルに適するようにブッシュを削るには何ミリのものを買ったら良いのか。このF.P.TOOLS という製品では、12.5 / 12.6 / 12.7・・・・と並ぶ。0.1mm 単位でテストするなら1回ごとに6.000円も掛ることとなる。工具箱の底から何やら古い道具が出てきた。アジャストリーマーだ。

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6サイズのアジャスタブルストレートリーマー。油汚れでドロドロだったが、チェーンクリーナーに一晩漬けておいたらその構造が見えてきた。


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5本出てきた内の12mm サイズは残念ながら一番使い込まれており再使用は不可だった。



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先端のレンチを掛ける部分はもはや四角ではない。



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アジャストナットもスパナが舐めて掛らない。



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せっかくなのでその一つ下のサイズを見てみよう。



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11mm to 12mm とある。これ1本で1mm の範囲で調整可能だ。先ほどのストレートリーマーであれば10当分に分けても66.000円掛る工具がこれ1本で済むことになる。しかも1/10mm 飛びではなく無限大に調整可能だ。しかも現在の価格で8.000円と割安。


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分解してみる。左右から刃を挟み込むようにナットが二つ。



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刃は。溝に嵌るように付いている。



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全部で6枚の刃。以外にも錆びていなかった。



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この斜めの刃がミソで、



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右に行くほど刃が飛び出す仕組み。



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これでは分かり難いので模型を作ってみる。



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これが12〜13mm 用アジャストリーマーとする。シャフトには、黄色の刃が嵌るようなピンクの溝が切ってある。



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この斜めの刃が溝に嵌ると外周は平行になる。これで外周は、12.0mm。



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右側のナットを緩め左側のナットを締めて行くと刃は坂を上りつつ平行移動しながら外に出ていく。ここまで来ると大よそ12.5...mm。
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これが13.0mm 地点ってわけ。

しかし昔の人は良く考えたもんだよね。脱帽するわ。これ1本買ってみる価値はあるな。ところで12mm to 13mmだが、あんなに朽ちるまで橋本輪業、何に使ってたんだろう? てか紙切って模型なんか作ってる場合じゃねーよ!「少し前に進もう」って全然脱線しちゃってて進んでいませんね。すいません。

汚い工具が出てきたでは、済まされない性能な工具なもんで、