アレックス・モールトン AM-SPEED S フロントサス分解(組立編)

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モールトンの構造が少し解ってきた。衝撃吸収はコイルスプリングが行うがスプリングだけだとどうなるかと言うと、衝撃を受けたスプリングが素早く縮む。今度はその反動で素早く伸びる。いわいる「ぼよよ〜ん」となってしまい元の荷重が掛かった長さに戻るまでに時間が掛かってしまう。この「ぼよよ〜ん」を軽減するのがダンパー効果で、液体がラビリンス(迷路)を通過するオイルダンパーや、摩擦を利用したフリクションダンパーがある。モールトン(NEWシリーズ除く)は、部品点数が少なく構造が簡単な後者を使っています。

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伸び側を制限する赤いブッシュ(正確にはリバウンドブッシュ700円/1ヶ税別)は、ヘタっていた(右側2ヶ)ので新品に交換。


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フォークエンド両側に挟まれている白い樹脂パーツがフリクションを生む。



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スプリングを組み込んでしまうと、どの位の抵抗が掛かっているのか分からないので、反対に組んでみる。



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ある程度のところから更に締めこんで行くとやはり動きが渋くなるようだ。故にセルフロックナット。



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スプリング全体とプラのピストン、Oリング、ダストシールに薄くグリスを塗布。



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スプリングにグリスを塗るのは錆び防止と、多分フォーククラウン内で擦れて公園の遊具のような音がするんだろうな。沢山塗ったほうが良いと思うが夏場になってグリスが流れ出てくるのはゴメンだね。


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スプリングがどん付に当たった状態。



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これどう見ても届かない。スプリングを縮ませながら組むにはマッチョな腕があと2本必要。さーどうする?



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これだな!



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丁度良いところに穴が。スプリングのストッパーとなるパイプだ。



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タイダウンベルトで締め上げの技。これは技有1本でしょう!



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これで一人で作業が出来る。



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全然楽勝!



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なんだかこの作業楽しくなって来たぞ!分解した時には、ここにもグリスが塗ってありましたが、ぼくは何も塗らずに組んでみます。


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グリスを塗ったら動きが良くなっちゃってダンパー効果が薄れるもんね。しかも油は埃を呼びます。



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さてナットの締め加減ですが、



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色々と試してみましたが、ナットを締めて行き止まったところから時計の針で15分戻しがベストの位置とみました。下の横着レンチは感覚が掴みづらいので、ここはコンビネーションスパナで。


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これなら汚れてもエアブローですぐに綺麗になるでしょ。



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フォークアッセンブリー終了!



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ヘット調整に使う32mm の薄口スパナは、Shimano PRO で調達。1.600円(税別)



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無事フロントスプリングの交換が終了です。それではソフトスプリング&GOKISOハブで雲の絨緞を走り抜けて下さい。お次は、NEW シリーズ ”ダブルパイロン” でござ〜い!

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モールトン屋か?