こんにちは、Yuboです!

前回の記事の最後に簡単に触れた Shimano SM-EWW01 について、改めてご紹介させて頂きたいと思います。Di2 ワイヤレスユニット本体は、手のひらに乗ってしまうほど、とても小さなパーツです。

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先日アップさせて頂いた画像の中に、SM-EWW01 がさりげなく登場していたのですが、以下のようにフロント用ライトの右側に取り付けてあるこの小さな部品が該当するユニットになります。

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配線は、内蔵式バッテリーからインフォメーションディスプレーに接続されていたケーブルを取り外し、ワイヤレスユニット本体を間に介する形にして、接続し直します。

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SM-EWW01 の取り付け位置に関しては、ご存じの方も多いと思いますが、シマノのディーラーマニュアルには、「自転車のフレームのシートステー部分にワイヤレスユニット本体を取付けます。」と記載されております。ですが、巷の噂によると、この位置でも問題なく動作している実績があるようなので、今回は敢えてこちらに取り付けて頂きました(といってもまだ仮止めで、両面テープは剥がしておりませんが)。

wireless_unit

距離的にも、保証の対象外の位置に取り付けています。

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実際のところ、以下のように Edge 520 にシフト状態が問題な得表示されていたわけですから、とりあえず正しく動作していると考えてよいと思われます。

garmin_edge_remote_screen9

実は私の思惑としては、ライブでシフト状態を確認するだけでなく、GARMIN Connect や Strava 上にシフト状態を履歴として残して、後日ダウンロードして解析する、という使い方を想定していたのですが、両サイトをいくら確認してもこれらのデータの表示方法が分かりませんでした。そこで、これについてネットで調べてみたところ、Strava のブログに以下のような記事を見つけました。

(Strava)アクティビティ上にギアを表示させるには〔英語〕


なんと、悲しいことに、現状では GAMRIN Connect と Strava のいずれのサイトでもシフト状態の履歴表示には対応していないようです。唯一のソリューションとしては、di2stats.com というオープンなサイトを利用して、マニュアルでサイコン内のFITファイルをアップロードして解析するのが最もお手軽な方法のようです。

そこで、お試しでdi2statsでアカウントを作り、実際に自分のアクティビティにより作成したFITファイルをアップロードしてみました。FITファイルは、サイコンをUSB接続したときに閲覧できる、内部のフォルダのGarmin>Activities の中にオリジナルが保存されています。

edge_520j_activities

ですが、今回はこのローカルのファイルではなく、敢えて GARMIN Connect 上から取得できるオリジナルファイルを利用してみました。FITファイルを取得するだけのために、毎回USB接続するのは手間ですからね。

garmin_connect_sample

GARMIN Connect 上からFITファイルを取得するには、右上の設定アイコンから「Export Original」を選択して、PC上のローカルフォルダにダウンロードし、ZIPファイルを解凍する必要があります。

FITファイルが準備できたところで、di2statsにアカウントを作成してみます。アカウントを作成したばかりの状態ではデータが空なので、以下の画面の左上のメニューにある「Import Ride」ボタンをクリックして、先にダウンロードしたFITファイルをアップロードします。

di2stats

具体的には、以下のようなファイルを選択する画面に切り替わった段階で、FITファイルを選択し、[Submit]ボタンをクリックします。

di2stats2

すると、しばらく処理時間をおいたあとで、以下のような形で解析が完了します。

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私は基本アウターなので、フロント・ディレイラーは動かしていません。

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初期状態では、リア・ディレイラーの状態が時間別にパーセント表示されます。

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私の弐号機にはパワーメーターがついていないので「power」リンクをクリックしても、チャートは表示されませんが、心拍計を身に付けていることから、「Heartrate」リンクをクリックすると、以下のように書くソフトごとの心拍数が表示されます。重いギヤほど心拍数が上がっているのは当たり前のようですが、私の場合は、53x17〜x11は順序通りになっているものの、軽いギヤでは53x21、53x23、53x18、53x19という順序になっていて、微妙に入れ替わっているのが面白いですね。もしかすると信号や交差点で、不定期に停止していることが影響しているのかも知れません。

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最後に、ケイデンスを見てみましょう。この結果を見る限り、ギアの重さとケイデンスには、あまり相関関係はなさそうにみえますが、考えてみれば巡航中でも、足を休めるためにペダルを踏まないことは不定期にありますから、本来であれば何らかの規準に基づいて、データを前処理した上でグラフ化した方が、より実感に近い結果が得られそうな気がします。

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以下のグラフはタイムシリーズに基づくシフト状態の変化を表しています。

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このデータとセグメント情報や地図情報を重ね合わせて表示するには、左側の「View shift map」ボタンをクリックします。 

di2stats10

以上が、di2statsで閲覧できるデータでしたが、いつかパワーメーターも取り付けて、詳細データを確認してみたいものですね。

今回はオープンサイトを利用してデータをビジュアル化してみたわけですが、これでシフト状態のデータそのものが、FIT ファイルにしっかりと記録されていることが確認できたわけですから、できれば自分でなんとか解決してみたいものですね。これに関連して、FITファイルについて調べてみたところ、ファイルの仕様上バイナリー形式になっているため、テキスト / XML エディタなどは編集することができないことが判明しました。しかしながら、ANT+ の本家サイトでは、FITファイルの仕様を含めたSDKがダウンロードできるようになっているため、これを利用することでファイルそのものの解析は可能になると思われます。

FIT SDK

(参考:今回利用したデータ)

これまでは Edge 520 について、私自身の理解が進んでいなかったため、基本的な使い方を中心に記事を書かせて頂いておりましたが、次回以降は橋輪さんの依頼でガーミン先生から長らくお借りしていた Varia Radar と Varia Vision に関する記事をアップさせて頂きたいと思います。

Varia シリーズは、私にロードバイクの近未来を感じさせるきっかけともなった、GARMIN の画期的なセンサーシリーズです。お楽しみに!



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