ROTOR 3D FLOW CRANK

ROTOR のクランクには何時も「なるほど」と唸らせるものがある。今回取り寄せ得た3D FLOW CRANK にも二つのスペシャルな機構が備わる。今夜の【橋輪Blog】では、先ずその一つをご紹介しよう。

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値段の割に薄べったいその箱を開けてみよう。



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ちょっとゴージャスな化粧紙に包まれていますね。



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はい、これです!



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ROTOR 3D FLOW CRANK 68.000円(税別)
130 PCD  30mm アクスル


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特徴的なのは、ドライブサイドではなく、左クランクアームとアクスルが一体構造となっているところ。



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凄いのが、左クランクアームの根本に配置されたデバイス。(デバイスの割りとキャップボルトに注目)



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内部がネジ加工され、



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回していくとBBに近づく方向に動くのだ。



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極細のピッチが見える。



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チェーンリングなしのクランク単体で68.000円はいい値段だ。



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ROTOR BSA30 BOTOM BRACKETS  25.200円(税別)
セラミックベアリング 24mmスレッドBBフレームにROTOR製30mm規格クランクを使用できる可変BB。


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普通のクランクとは逆で、レフトサイドを先に組み付け、ドライブサイドをスプライン勘合させる。後にセンターの赤いフィキシングボルトを規定トルクで締め合体させる。


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組付け方法自体は他のクランクと変わりはないが、ここからが ROTOR の凄いところだ。



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通常のクランクでは、これでアッセンブリー完了だが、この状態ではアクスル軸方向にガタが残る。



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先ほどのデバイスを回していくと、BBベアリングのインナーレースにプリロードを掛けて行くことができるのだ。



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ガタがなくなり、最高の回転を得られるところでロックする。



暗黒さん
この写真は、暗黒さんがFBページにアップしていたもので、何をやっているのか見当も付かなかった。

やはりROTOR は凄い。だがこれは当然のことでもある。同じ68mm 幅のシェルだってメーカーによって本当に68mm なのかも分からないだろうし、フェイスカットでどれだけ削れるかも分からない。フィキシングボルトで締めこむだけのタイプであれば、68mm より多ければベアリングに圧力が掛かり重くなる。少なければ締めきれずガタが出る。この手のクランクであれば、プリロード調整は出来なければおかしいと思う。他の工業製品でこのような納得の出来ないものがあった。FIAT 500 チンクエ・チェント(漫画ルパン三世が乗っている小さなイタリヤ車)のリヤハブだ。ハブ左右にテーパーローラーベアリングを使っているにも関わらず、左右のインナーレース間にカラーを入れてしまったお粗末なハブだった。微妙に寸法の違うカラーを沢山削り出したのを思い出した。これがROTOR では、スムースに調整できるのだ!

明日につづく、