俊樹、スポークが折れたままフランクフルトを目指す


前日の夜更かしの成果見事に寝坊してしまい、9時に目覚める。

野宿で寝坊というのもおかしい話だが・・・
ふつうは不安で日の出とともに目覚めるのかな?笑)
 
 
遅い時間に起きたせいかガンガン走る気はなくなってしまい、ゆっくりと走ってフランクフルトにつけばいいかとのんびり進む。
 
大きい道路だが車通りは少ない。


一人の男がリュックに釣り道具をたくさん突っ込んでホームセンターで売ってそうなMTBに乗ってオレを抜かしていった。
 
ずいぶんはやいんだなーなんて思って背中を見送ったが、一時間後に道端で電話しているその男を見つけ、手を振って抜き返す。
 
腹が減ったけど飯を食えそうな空き地が見つからない。

ガードレールにチャリを停め、休憩しているとさっきの男がやってきた。
 
どうやら後輪がパンクしてしまったようでズリズリと音がしている
 

パンクしちゃったの?と尋ねると
ひたすらドイツ語で何か言ってきた。

何言ってるかわからないが、パンク修理セットは持っているので修理することに。
 
どうやら自分でできるようなので道具だけ貸して、見守ることに。

自転車をひっくり返し、タイヤを外し、チューブを外し・・・
ここまで手慣れた感じ。
 
だがここで彼は衝撃的なことをした。
 
 


カァーッペッ!

 
とチューブに唾を吐き、穴を探し始めたのだ!
 
きたねぇ!!!
 

ようやく穴を見つけた彼は、濡れた面を手でごしごしこすって乾かし、何の躊躇もなくオレの道具を使ってパンク修理を始める。
 
マジかよ・・・・
 
 
パッチがなかなかひっつかなくて苦労していたがなんとかくっつき、タイヤをもとに戻して流れで一緒に走ることに。
 
 
なかなか饒舌な男で走行中ひっきりなしに話しかけてきた。

それにテキトーに相槌をうって会話を成立させる。

なに言ってんだかわかんねぇー!
 
 


途中、屋台がぽつんとあり、そこでコーヒーを一杯奢ってもらうう。
 
どうやらパンク修理のお礼をしてくれるらしい。
 


コーヒーを飲み終え、先に進むとだんだん彼のスピードが落ちてきた。
目をやるとまたパンクしていたのだ。

どうやらパンクしたタイヤで無理やり走ってきたからいくつも穴が開いているようだ。
 
また直す?

ときくとめんどくさいからいいやといった様子で先に進むことに。
 
スピードは8km位しか出ていない。

地味なアップダウンもあり、なかなかフランクフルトにたどり着けない。
 
腹減った・・・。
 
 

小さな町に入ると、ケーキ屋さんがあった。

自転車で世界一周をした石田ゆうすけの本にドイツのケーキ屋はうまい!と書いてあったので、ここで休憩しようと提案。
 
石田さんいわく、海外の一般的なケーキ類は甘ったるくて香料くさくて一口で顔をしかめたくなる味らしいが、ドイツのケーキは日本的な味つけらしい。
 

ここでも彼がコーヒーを奢ってくれるようなので、バームクーヘンのようなケーキを一つ注文。
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本当は正統派なケーキが喰いたかったが、とにかく腹が減っていたので大きいサイズのものが食べたかった。
 
外のテーブルでケーキを食べながら話をする。

たまたま日産車が通ったので、2人で「ニッサン!グッド!ホンダ!グッド!」など言い合い、

車が通るたびにあれは?あれは?と訊いてみた。
 
その後、アメリカのプロレスの話になった時はようやくまともに話せた。気がした。
 
 


夕方、ようやくフランクフルトに到着。


すぐさま自転車屋にむかうのかと思いきや、スーパーに立ち寄って食糧調達を始める。
 
いつ自転車屋に行くんだろう?
 
なんて思いながらついていくと、
「オレの家はここだ!今日はありがとな!なんかあったらここに連絡してくれ!ポーランドの国境はそっちだ!」
と勢いよく言われ、その勢いに押されて握手して解散してしまった。
 

あれ、パンク修理は!?オレもスポーク直したいんだけど!ってか、お前の手、唾まみれじゃ・・・・!?
 
 

今日の苦労は何だったんだと膝をつきそうになりながらもなんとか国境に着き、橋を渡ってポーランド入国。
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Kantorという両替商に向かい、ユーロをポーランドの通貨ズロチに両替。
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物価がだいぶ安くなり、割と所持金の額が増えた。



目の前にあったパスタ屋にオランダ人の夫婦サイクリストがいたので三人で飯を食うことに。
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パスタ屋の兄ちゃんもなかなかナイスな男で、フレンドリーに話をしてくれた。

何より英語が話せたのがよかった。一日中わけのわからん話をしてたし(笑)
 


地図を見るとキャンプ場があるようなのだが、兄ちゃんに訊いても知らない様子。

ガソリンスタンドで地図を購入し、ポーランド初日だし、ちゃんとどっかに泊まりたいなぁと思ったのだが、結局キャンプ場は見つからず、

森の中にテントを張る。
 
(53日目 65.05km)


ポーランドに入国した俊樹、相変わらずスポークは折れたままだ