tern Physis ハンドルポストの安全性

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1台のtern Verge P18 が送られて来ました。
車体は販売していませんが、キネプロホイールを購入頂いたHさんの車体です。
正確には、「送られてきた」ではなく「送って頂いた」となります。



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       tern Verge P18 + Kinetix PRO (レッド)


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このままキネプロギャラリーに登場して頂き「カッコいいね」めでたし、めでたしで終わりではありません。


           Hさんからのメール

ご無沙汰しております

昨年11月にキネプロホイールセットを購入したI市のHです。

御社のブログは何時も参考にさせていただいております・・・・

キネプロホイールを履かせたVerge P18は快調に走っております。

9月初めに購入してようやく3千キロです



ところで最近怪我をするようなトラブルが発生しましたので、ご参考までにその現象と対処法を下記してみます。

ある朝、公園で組み立てた自転車に乗って一旦公道を走り、そこから歩道に入ったところで急に転がってしまいました。
近くを歩いていた方が助け起こしてくれましたが、最初何が起こったのか分からず自転車を起こし、ハンドルが折れているのに気付いてハンドルポストをきっちりとロックしてゆっくり帰りました。

宅してから脚のあちこちが痛みました。
多分ハンドルポストの固定レバーをセットした後でしっかりとロックしていなかったからだと思いました。


それから何日かして、自宅に帰る途中で行き止まりになっていたので向きを変えようとしてハンドルを左に切った所、又ロックが外れて転がってしまいました。
この時はスピードも出ていなかったので大した怪我はありませんでしたが、何しろハンドルポストが左手前に倒れるので身体は前方に投げ出されてしまいます



又何日か経っての午後、駐車場に停まっていた車が急にバックしてきまして、慌ててハンドルバーを左に切った所又ロックが外れてハンドルポストが折れました。

幸いスピードはなかったので倒れずにすみましたが。

そこで又ロックを十分確認し、公園に入って公園内を周回したのですが、今度は車の出入りするところの車道と交わる歩道を区分するブロックが少しずれているところで自転車が跳ね上がり、そのショックで再びロックが外れてポストが折れて転びました。

この時は派手に転んで両足のあちこちを打ったり擦りむいたり散々でした。

うやく帰宅したら家内から自転車に乗ることを禁じられてしまいした。




そこで対策ですが、100円ショップで黒い幅二センチほどのゴム織物の両端に面ファスナーの付いているものを見つけ、これをロックレバーの部分にしっかりと巻き付けてロックが外れてもレバーが倒れないようにしました。

この対策を家内に実演しながら解説してようやく乗車許可が出ました。
これで安心して乗ることが出来ます。

たとえ新車でもこの対策をしている方が安心でしょう。

車道を走っている時にこれが起こっていたらと思うとぞっとします


だらだらと書きましたが何かのご参考になれば幸甚です。

それではこれにて失礼致します。


それからのメールのやり取りで、こちらから提示した点検項目をチェックして頂いた


最初に結論を申し上げますと、ピンは全く折損した形跡はなくて、最初から短くてロック位置に届かずロックされていないことが分かりました。

写真を添付致しました。判り難いかもしれませんが、ロックボタンは最下位置なのにピンはロックに届きそうにありません。

昨日はパッと見てピンがロックに届いていないので、これは折損しているなと早とちりしてしまいました。

ピンの先端は全く折れた状況ではなくて、オリジナルの背面のアールがそのまま残っているのが見てとれます

これ以上手のつけようがないので、家内とも話して常に安全ベルトを巻くことにしました。


走行中ハンドルポストが突然折れて転倒。しかも4回も、想像するだけでも恐ろしいです。
これはなんとも気の毒な話。当店で販売した車両ではありませんが、信頼して相談を掛けられた以上、下手な返事はできません。
謙虚なHさんは、「橋輪さんで買った訳でもないのに、そこまでして貰うのは」と回収を否定しておりましたが、「命に係わる事です、第二のHさんを出さないためにも」と説得し、配送を手配した次第であります。


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        これがHさんの言う安全ベルトか


         早速、検証に入りましょう

正しくクランプされているかは、セーフティーロックのピンが折れてようが無かろうが、レバーを閉じた感触で解る

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これは新車の納車整備の時点で解ることです。この感触では、うちでは出荷できません。様々なギミックを持つフォールディングバイクは、やはり専門店でお求めになるのが得策でしょう。
            こいつはダメだ!


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想像通りセーフティーロックのピンは折れていた。


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Hさんが言うように「オリジナルの背面のアールがそのまま残っている」かのように見えるが確実に折れている。これは、プロでも新品と見比べなければ分からないだろう。このように形成されているかに見える。



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それと、走行中はちょっとの衝撃で倒れてしまうステムも、普段畳む際にレバーを倒しても相当な力でやらないと畳めないとも言われてました。矢印の部分に喰った跡がありますが、こちらは差ほど問題ではなく、うちの試乗車も1台ぐらいこんな症状がありますが、ハンドルグリップの下からちょっとショックを与えてやるとすぐに外れますよ。問題は”倒れてしまう”ことです。



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コーションラベルが貼りっぱなしのフレーム。どちらでお買い求めたかは聞いていないが、これでは碌な納車整備はされていないだろう。



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フレーム側はとりあえずOK。フレーム側をOCL(オー・シー・エル)ジョイント、ハンドルポスト側をPhysis(ファイシス)ハンドルポストと呼びますが構造は全く一緒です。



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  詳しく見るためにハンドルポスト単体にしましょう。


明日は、外したHさんのハンドルポストと新品をラジコン工作室に持ち込み詳しく検証します