”MASI 俊樹”流学21日目
       (安宿の刺青男は意外といいヤツ)

翌朝はほとんど眠れず、しんどいながらも8時起床。

建築家のたくやさんはものすごく屈強で、行動派で、昨日もあの騒ぎの中一番最初に眠り、一番に観光に出かけて行った。

とりあえずフリーフードで満腹になり、行きたいとこもないなーブログでも書くべか。と思っていたら、リビングチームの4人でパリ散歩に出かけることに。

みんなでひとしきり昨夜の騒ぎや、アクの強いひとりの宿泊客を愚痴りすっきりした。

そうして、1時間ほど歩き、高台にある教会に到着。
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ここはパリ市内が一望できるところで、教会なんか気にもせず景色に見入る。
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そこで階段に腰かけて、クロワッサンとビールを飲む。
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くぅー、昼間の酒はまたうまいぜ!!


その後坂を下り、現代アートの美術館をチラ見して、ノートルダムの鐘の近くで一時解散した。



オレは、フランス版東急ハンズのような店で料理用のナイフを買いに行く。

さすがに100均で買ったお食事用ナイフでたまねぎを切るのはもうごめんだったのだ。

ナイフコーナーに行くと、きれいな姉さんが立っていて、日本から来たサイクリストだけどいいナイフないですか。
と訊くと、別の店員を呼んで詳しい説明をしてくれた。

そこで一本購入し、お姉さんと少し話す。

     おっと俊樹が女性としゃべった?初じゃね!

なんと日本に来たことがあるそうで、いつかは日本語をちゃんと話せるようになりたいとのこと。

それなら僕が日本を案内するついでに日本語教えますよ!

だからぼくと結婚してくだs(以下省略)




なーんて思ったものの、みなさんご存じのとおり言えるわけもなく。

               やっぱね!

去り際には、お姉さんがすごくおちゃめな顔して「アリガートウ」

と言ってきたもんだからこっちは一気にうれしくなり、「メルシーボク、オルボワール」と返す。

そこからは夢見心地でにやにやしながら歩き、せっかくのノートルダムの鐘も全く耳に入ってこなかった。



パリ最後の夜なので500mlのハイネケンを2本購入しキッチンへ。

フリーのパスタをトマト缶とにんにくと玉ねぎで炒めて食おうとすると、隣にいた強面の兄さんが「お前それぜったいまずいぜ」といって、見事な手さばきでおいしくしてくれた。

彼、ほんださんはパン屋の修行にパリに来ていて、料理の腕前もよく、きっとうまいパンをつくるんだろう。

話しているうちに気に入ってもらえて、ウイスキーも飲ませてくれた。

つぎつぎと出してくれる飯もうまかった。

驚いたことにオレの大学の最寄り駅の隣の駅に住んでいるという!途中現れた同宿の埼玉県民の子も交えてぜひ飲もう!となった。

世間は実に狭い!!


その夜は、夜中まで語らい、目標を立てること、その目標に向かって突き進む精神的な芯を作ることの重要さを教わった。


この宿の滞在も今夜がさいごということで、清算しにオーナーの部屋へいくと、先輩とふたり酒で盛り上がっており、ふたりが軍隊出身ということもあって正座して
「明日ここを発とうと思います。お世話になりました。すごく楽しかったです!」
というと、

「お前マジでまたこいよ!」とオーナー。

本当に気に入ってもらえたようで、1ユーロ安くしてくれた。

先輩はよくわからないけど、女の子をナンパするときは失敗してもくじけるな。
とか、オランダについたら悪いことなんでも挑戦しろと教えてくれた。
(あまりにも唐突すぎてびっくりした)


この宿は、大学の怖いOBのもとへ合宿に来た体育会系部員みたいな気分が味わえる楽しい宿でした。

リビングはまるで修学旅行みたいな感じがしたし。

まあ、おすすめはそこまでしませんが(笑)

(21日目 観光)



もう一人の俊樹”オダギリ・ギリ”(2日目)

朝4時にネカフェを出てローソンで朝食を済ませる。空気がぬるい。
 
今日からいよいよ国道4号線に入る。ひたすら進めば青森だ。
 
筋肉痛は無いのだが、猛烈な眠気に襲われた。走って1時間で限界に達し、開店前のスーパーのベンチで仮眠をとった。
 
体力が回復し、再び走り出す。MASI俊樹くんの言う通り無難でつまらない平坦な道だ。
 
と、ここでハプニング。
 
突然の破裂音。前輪がパンクした。
 
なんということでしょう。
タイヤにも穴が開いているではありませんか。
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予備のタイヤは用意していない。まじヤバい。すぐさま橋輪に電話した。
 
社長に周辺の自転車屋に同じサイズのタイヤがあるか確認してもらったが全滅。
 
仕方なく橋輪から郡山のクロネコヤマトの集積所留めで送ってもらうことに。
 
なのでガムテープで応急処置を施した。
 photo[1]
 
そして大幅なタイムロスをしたがなんとか再び走り出す。
 
今まで平坦だった道が那須に入ると一変し、ヘタレには少々厳しいアップダウンが続いた。
 
ヒイヒイ言いながらもなんとか福島県に入った。白河市まで後10キロのところで昼休憩の為コンビニへ。
 
日陰で休んでいるとサイドバッグを装備した自転車がやってきた。挨拶をしてお互いにどこから来たかなど喋った。
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彼は休日を利用して仙台から東京を目指している最中だった。いろいろ話したが腹痛のせいで半分も覚えていない。
 
最後にバッグにメッセージを残してもらい、握手をして別れた。
 
当初2日目の目標地点だった白河へあっという間に到着してしまったので更に先へ進むことにした。
 
ダラダラと4号線を北上してふと気が付いた。
 
寝床決めてなくね?
 
急いでコンビニに自転車を止めて地図を開く。
 
できれば道の駅がいい。だが4号線沿いにはない。
 
地図上で4号線から10キロ外れた場所に道の駅を見つけた。即決。
 
既に日が暮れ始めていたので少々急ぎ足。
40分程で道の駅の500メートル前まで来た。
調度定食屋があったので夕食にした。
ホルモン定食を注文。
 photo[3]
ものすごいボリュームで味もピリ辛で食が進む。あっという間に完食した。
 
店員の人と会話をして、今夜は道の駅で野宿することを告げると、空き部屋があるので泊まってもいいと言われた。もちろんお言葉に甘えてお邪魔した。
 
更にシャワーまで貸していただき、布団まで準備してくれた。神様に見えた。
 
千葉県1周の時に食べ物を貰ったことはあったが、まさか見ず知らずの人間を泊めてくれるとは夢にも思わなかった。
 
人ってあったかいです。

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本日の走行距離
宇都宮?福島県岩瀬郡天栄村 120.19km