MASI俊樹、化け物温泉入る



昨夜の雷雨が嘘だったかのように静かな朝。
 
 
空は曇っているが、
まあ、日射しがキツいよりはマシか。
 
 
 
とりあえず最高傑作の簡易テントを解体していく。
 
 
自分の叡知を思い少しニヤついていた。
 
 
地図を見るとすぐそこに峠があることが判明した。
 
 
モーニング峠はさすがにキツい。
 
起きたばっかだし、
まだエネルギーがスムーズに体内を循環してない。
 
 
夜のうちに買っておいたパンを喰い、出発した。
 
 
 
道は直線だったが、
ものすごい微妙に上っていた。
 
 
 
のろのろぬるぬる進む。
 
 
ついに鈴鹿峠の看板が現れた。
 
おっしゃ、行くぜッ!
 
 
勢い良く漕ぎ出して上り坂に備えた。
 
 
 
しかし、目の前に現れたのはものすごい急角度の下り坂!!
 
 
 
超ラッキー!
 
 
 
京都方面からお越しのお客様は下りオンリーだったのだ!
 
 
 
いつも通りコーナーを攻めて行ったが、
 
 
ブレーキの効きが悪くなってきていたので危うく突っ込みそうになる。
 
 
 
そういえば最後に調整した(してもらった)のは鹿児島だったな…
 
 
 
谷は生きているのだろうか。
ナガセはいったい何をしているんだろうか。
 
 
 
沖縄が懐かしいなぁ
なんて考えながら下った。
 
 
下り終えるとコンビニがあったのでなんとなく休憩。
 
 
窓ガラスにチャリを立て掛けていると、中にいたオッサンと目があった。
 
 
 
気にせず、店内に入ると、SHIMANOのジャージを来ている男女がいた。
 
 
チャリンコ関係か?
 
 
 
と思っていると、先ほどのオッサンに話しかけられた。
 
 
なんと、彼の仲間が会社を辞めて先日日本一周をしはじめたらしい!
 
 
 
すげぇ、会社を辞めてまで旅が出来るのは真の男だけだろ…
 
 
 
2日、3日前に和歌山あたりで出会えそうだったらしいが、
残念ながら、和歌山をパスしてしまったので会うことは出来なかったようだ。
 
 
チャリを見せると、
 
おっ!MASIか!渋いな〜
 
と言われ、ちょっと照れた。
 
 
ブレーキとかだいぶ効かなくなってきてるんじゃない?
 
 
いえ、まだまだ大丈夫そうッス!
 
 
(……
あれ?オレは何をいっているんだ??)
 
 
何故か見栄(?)を張ってしまった。
 
さっき死にそうになったじゃねぇかッ!
 
 
 
まあ、今さら効かないとも言えないので、
今日なんかイベントあるんですか?
と訊いたら、どうやら鈴鹿サーキットで大会をやっているらしかった。
 
 
荷物を積んだままレーサーと全力勝負してぇな(笑)
 
とか話をして、お別れ。
 
 
そこから名古屋までは50kmないくらいだった。
 
 
昼頃には着きそうだから、
昼飯は行きに寄った定食屋で味噌煮込みを喰おう。
 
 
 
名古屋には13時頃到着した。
 
 
お目当ての店は反対車線にあるので、
気づかずに通りすぎないように慎重に走った。
 
 
 
             見覚えのある看板を見つけ、入店。 
P1360004

 
ちょうどお昼時とあって、店内は混んでいた。
 
 
こんちはー!
 
と入ると、
おばさんが、あーっ!
というような顔をして迎えてくれた。
 
 
ちゃんと覚えてくれていたようだ。
 
 
おじさんも覚えてくれていて、笑顔を見せてくれた。
 
 
前回の約束通り、味噌煮込みを注文。
 
 
 
おばさんはオレの来店を今か今かと待っていたらしい。
 
オレも生きて帰ってこれて良かった(笑)
 
下手したら佐多岬でくたばってたし(笑)
 
 
 
味噌煮込みは想像通りのうまさで、最初はうどんを、
 
そして残った汁と具でご飯を2杯いただいた。
 
 
おじさん、おばさんともっと話したかったが、
 
仕事の邪魔をしたら悪いので出発。
 
 
 
そこからは一度通った道だから余裕!
 
 
ってな感じで進んでいたが、
 
 
おっしゃあ!東京まであと300kmじゃん!
P1360005

 
 
と喜んだのもつかの間、
 
 
夜になったら真っ暗になってしまい、
 
しかもどこがバイパスでどこが普通の道なのかわからなくて相当焦った。
 
 
 
そろそろ寝る場所を探そうと思った7時30分頃、
 
 
看板に温泉の文字を見つけた。
 
 
今日は風呂に入れるぜ!
 
と思い、看板に従って右折。
 
 
るんるん気分で進むと、T字路になった。
 
 
ええっ!?
 
どっち!?
 
 
看板なんも出てないよ!?  
 
右を見ても、左を見ても明るい建物は見当たらない。
 
 
男の勘で左折したが、
 
結局何も見つからなかった。
 
 
またしても都市伝説だったか…。
 
 
諦めて進むと、民宿が立ち並び始めた。
 
 
金を払って泊まりたくはないが…
 
 
すると、日帰り入浴可の宿が一つあった。
 
 
風呂だけでもと思い、入るとお化けどころかゾンビが出てきそうな真っ暗な廊下が。
 
 
 
やっちまった!
 
 
しかも怪しげな老婆が出てきたので後には引けなかった。
 
 
日帰り入浴させてもらえませんか?
 
 
と言うと、8時にお客さんが来るからと少し迷惑そうにされたが、
 
それまでに出るなら良いよと言われ、
 
風呂場へ。
 
 
戸がつっかえて開かない!!
 
壊さないように慎重にフルパワーで開ける。
 
 
 
!?
 
 
見事にきたねぇ風呂だった!
 
 
シャワーから熱湯か水しか出ねぇ…だと!?
 
 
桶に水を貯めながら少しずつ体を洗い、小さな湯船へ。
 
 
あっっっっっっちい!!  
 
とんでもない熱湯が張られていた。
 
 
水で中和し、100数えて上がった。
 
 
ロビーに戻ると老婆がいない。
 
くっそ、早く出てきやがれ…
 
 
と思うと、
あら、もう上がったの?
と、老婆が登場。
 
 
(てめぇが早く出ろつったんだろうがぁぁぁあ!)
 
 
 
すると、いきなり世間話を始められた。
 
 
は、早く帰らせてくれ…
 
仕方なく話しに付き合う。
 
しかも時間はとっくに8時を過ぎている。
 
 
尚も続く婆さんの話。
 
 
どうやら東京〜京都の徒歩旅行者がけっこう来るらしい。
 
 
途中、婆さんが引っ込んだと思ったら麦茶を持ってきてくれた。

 
 
おっ、なかなか良いヤツじゃんか♪
 
 
お次は、この前来た旅人が、野宿をしようとして怖い目にあった話をされた。
 
ここに泊まって安心してぐっすり寝ていったのよ〜
 
とご機嫌な婆さん。
 
 
もしや、泊めさせようって腹だな?

オレは絶対に泊まらんぞ!!
 
気づけば9時になろうとしていたので、
 
そろそろ行くので、料金は?
 
と尋ねたら、
 
 
 
ああ、はいはい、900円ね。



!?
 
 
古くて小さいお風呂+麦茶一杯+お婆さんとのご機嫌な会話が900円!?
 

 
新手のぼったくりバーかと思った!
 
 
しかし、仕方ないので笑顔で金を払って出発した。
 
 
社会の厳しさを知った夜だった…。
 
-END-
走行距離
25日目
道の駅あいの土山〜浜松市 スズキ自販浜松駐車場
183,33km