ロックジョーの圧着力は、一番締めた状態が最強ではない。


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シルバーチップや2011の一部のモデルに採用されてるフォールディングシステム LOCKJAW。
遠目に見ると、折りたたみであると思わせないスマートさと、確実な固定ができます。
この固定の方法ですが、上の写真でレンチが六角ボルトの頭に架かっていますが、この先にネジはありません。

フレ−ムのジョイイント部にガタが有るからと言って、これをクソ締めしますと、壊れます。



        では分解してみましょう。




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       構成部品はこれだけです。
正確にいうと、この他にヒンジとなるピポットピンとスプリングが2セット有りますが、こちらは分解の必要なしです。



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一番上の写真で、レンチが架かっていた六角頭が右側の部品です。
上にあるのはイモネジで、フレームへの位置決めと、レンチの作動範囲(180度)を決めています。

カムになっているのが、お解り頂けるでしょうか。これにバンジョウ(左部品)が入る。




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     これがレンチを締め切った状態

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       レンチを緩め切った状態

   カムの作用でバンジョウが上下している



      横から見ると解かりやすい

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        これが緩み切った状態
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こちらが締め切った状態でバンジョウがカムの頂点で一番引き上げられている。
この位置で圧着力が一番強いのですが、レンチの作動範囲にはまだ若干の余地が有り、もう少しだけ圧着力の弱まる方向に回って止まります。
             ”ここがみそ”
                ↓
   http://hashirin.com/archives/1119296.html




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  真中の部品はクイックリリースのナットと考えて良い。

ナットを締めて行くとカムの締め付けが増す。(クイックナットを最初に締めすぎるとクイックレバーが倒しきれなくなるのと一緒)


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下の細いボルトは、クイックナットを調整した後、位置が動かなくする為のロックボルト。
したがってナットを調整するまえにロックボルトを緩める事は言うまでも無い。


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イモネジの入る溝が、緩め方向でグニィと曲がっていますが、開放の位置でカムを保持しておく狙いです。
(畳んで輪行した時などの振動で、カムが締まる方向に動いてしまうと、クリアランスが狭くなってスムーズに拡げられなくなる)




               組立偏

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フレームの中にバンジョウを入れた後、グリスを塗布したカムを横から貫通。
位置決めの溝目掛けてイモネジを入れる。(仮締め)



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      アルミプレートをサラビスで固定。
さっきのイモネジを、カムが緩め切った状態で保持できる所まで更に締めこむ。(イモネジ部の赤はゆるみ止めのロックタイト)



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       クイックナットとロックボルト
(むしろロックボルトは調整が終わってから取り付ける)


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「ギュー・・・バタン」と表現したが、こちらは「ウニュー・・・ゴックン」てな感触(これも我ながらナイスな表現)を目指して、ナットでナットく行くまで調整します。

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 調整が終われば細いロックボルトを締めて終了です。




    長々とお付き合い頂きまして有り難うございました。



        「 はっ ・ とっくに寝てるよ! 」